建設費高騰の真因は施工能力不足、ゼネコンがデフレ前提から脱却へ
建設費高騰の真因は施工能力不足、ゼネコン脱却

建設需要の増加と施工能力のミスマッチ

2011年の東日本大震災と2013年の東京オリンピック招致決定以降、建設需要は増加基調に転じた。建築着工床面積は2013年度に1.48億平方メートルまで回復したが、ゼネコン各社は施工能力の強化に慎重だった。東京五輪特需終了後の需要減少を見込んでいたためだ。しかし、その後も名目投資額は増加しているものの、着工床面積は減少傾向が続いている。

施工能力不足の実態と大阪万博の事例

人口減少により建設需要は長期的に減少するとの予測がある一方、大規模イベントや災害で需要が急増し、施工能力不足が顕在化する。2025年の大阪万博では工期遅れで開幕に間に合わないパビリオンが発生した。ジャーナリストの千葉利宏氏は「建設市場では需要と供給の逆転現象が起きつつある」と指摘する。この現象は都市再開発や公共事業など全国の工事に影響を広げている。

デフレ前提からの脱却と賃金改善

人手不足解消には建設労働者の処遇改善が不可欠だ。国土交通省は建設業界と協力し、技能労働者の賃金改善に取り組んできた。2025年12月施行の改正建設業法では「標準労務費」が設定され、更なる賃金アップが見込まれる。適正賃金を確保するには、ゼネコンが受注段階で適正な労務費を確保し、専門工事会社の技能労働者に賃金を行き渡らせる必要がある。

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見積もり方法の転換と業績への影響

建設費の見積もり方法の見直しが進んでいる。2026年3月期の大手ゼネコンの業績は軒並み大幅増益となった。5月の決算発表会見では、見積もり方法を「デフレ前提型」から「インフレ想定型」へと転換したことが大きく寄与したと説明された。今後は欧米型の「オープンブック」方式の普及がカギとなるとみられる。

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