7月21日、高市早苗首相は積極財政を前面に出した「骨太の方針」を閣議決定した。しかし、市場ではこの方針に対する不安が高まっている。日本の当局は5月に円買い支えの為替介入に700億ドル超(11兆円超)を費やしたが、円相場は40年ぶりの円安水準に沈み、長期国債利回りも数十年ぶりの高水準となっている。国債利回りの上昇は国債価格の下落を意味する。
軌道修正できない日本と世界の末路
日本は本格的な通貨・債務危機の瀬戸際に立たされているように見える。しかし、こうした通貨安スパイラルの根本原因に対処しようとする姿勢は日本の当局には見られず、危機の進行を懸念すべき理由は十分にそろっている。
日本の円安は、フランス、イタリア、イギリス、特にアメリカのように財政が持続不能な道をたどっている国々にとっての警鐘だ。ある国の経済・金融危機は市場での関心を引きつけ、似たような問題を抱える国々へと連鎖することが多いからである。
過去の危機が示す連鎖のリスク
1997年のアジア通貨危機では、タイの通貨暴落をきっかけに同様の通貨安がインドネシア、マレーシア、フィリピン、韓国へと波及した。また、2010年の欧州債務危機では、ギリシャの国債暴落が引き金となり、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペインに債務危機が広がった。日本発の危機が同様の連鎖を引き起こす可能性がある。



