精米機、米穀メーカー「東洋ライス」(和歌山市)は、創業者である雑賀慶二社長(92)が退任し、後任に阪本哲生副社長(63)を充てる人事を発表した。6月15日の株主総会と取締役会で正式に決定し、雑賀氏は代表権のない会長兼技術顧問に就いた。
創業者の功績と退任の理由
雑賀氏は1961年の創業者の一人で、1985年に社長に就任。無洗米のほか、一般の白米より栄養価が高い「金芽米」などを開発し、業界に革新をもたらしてきた。今月2日、オンラインや東京都の銀座本社で記者会見を開き、雑賀氏は社長を退いた理由について「常識も昔とは変わった。孫の代に社長を交代した知人の会社もあり、『92歳が社長をやっていたらあかん。一日も早く交代せなあかん』と思っていた」と説明した。
後任社長の抱負と米価高騰への認識
2013年から副社長を務めていた阪本氏は「社会から必要とされ、その結果として利益が生まれるような経営をしたい。地域や自治体などと協働し、新たな価値の創出を積み重ねることが100年企業につながる」と抱負を述べた。また、米価の高騰については「(業界全体で)国民からの信頼を失いつつある」と「米離れ」への危機感を示した。価格は今年に入って下がったものの、「価格の安定や品質、機能性の高い商品を提供していくことが(信頼回復への)我々への使命だ」と述べた。
新体制の展望
東洋ライスは、創業者の退任により新体制へと移行する。阪本氏は、無洗米や金芽米などの独自技術を活かしつつ、業界全体の課題である米離れに対処する方針だ。同社は今後、地域との連携を強化し、持続可能な経営を目指すとしている。



