JR北海道・札沼線(学園都市線)のロイズタウン駅が2026年3月に開業4周年を迎えた。これを記念し、キハ261系「はまなす編成」を使用した貸切特別列車が札幌―ロイズタウン間で運転された。筆者はこの特別列車に乗車し、鉄道を活用した地域活性化を担当する当別町の佐藤太一郎課長にインタビューを実施。同町の路線維持戦略を探った。
特別列車でにぎわうロイズタウン駅
2026年3月15日、JRグループのダイヤ改正翌日に、ロイズタウン駅開業4周年記念の特別列車が札幌発で運行された。ロイズタウン駅は、チョコレート菓子メーカー・ロイズコンフェクト社の工場最寄り駅として2022年3月12日に開業。請願駅として、駅舎とホームの整備費約9.3億円をロイズコンフェクト社が、駅前広場の整備費用約6億円を当別町が負担した。
特別列車は札幌駅を9時56分に出発し、ロイズタウン駅に10時29分到着。募集型企画旅行として販売され、ロイズタウン駅から無料シャトルバスでチョコレート工場へ移動し、工場見学とチョコレート詰め放題体験がセットになったコースだった。
当別町の鉄道維持戦略
当別町は、札沼線の存続を巡り厳しい状況にある。札沼線は北海道医療大学の移転により乗客減少が懸念されるが、佐藤課長は「札沼線は絶対維持する」と明言。ロイズタウン駅を核とした集客で収益を確保する考えだ。同駅は開業以来、家族連れを中心に利用が伸びており、チョコレート工場見学は人気を集めている。
佐藤課長は「ロイズタウン駅があることで、当別町への訪問者が増加している。鉄道を維持するためには、駅を活用したコンテンツが重要だ」と強調。町は駅前広場の整備やシャトルバス運行など、観光客の利便性向上に努めている。
数字で見るロイズタウン駅の効果
ロイズタウン駅の開業から4年間、当別町の観光入込客数は増加傾向にある。特に、工場見学と直売所を併設するロイズコンフェクトの施設は年間約30万人が訪れる人気スポットだ。駅開業により、札幌からのアクセスが向上し、家族連れや観光客の取り込みに成功している。
一方、札沼線全体の利用者は減少傾向にあり、2019年度の約1万2000人から2024年度には約9000人に落ち込んだ。しかし、ロイズタウン駅の利用者は増加しており、2025年度の1日平均乗降客数は約800人と、開業時の2倍以上に成長している。
大学移転の影響と今後の展望
北海道医療大学が2024年に札幌市内へ移転したことで、札沼線の学生利用が大幅に減少。これにより、沿線自治体は路線維持に危機感を強めている。当別町は、ロイズタウン駅の集客力で減少分を補う計画だ。
佐藤課長は「大学がなくなっても、ロイズタウン駅で稼ぐ。札沼線を守るために、町としてできることは何でもやる」と語る。具体的には、イベント列車の運行や観光パッケージの充実、他自治体との連携を進める方針だ。
JR北海道も、ロイズタウン駅の成功事例を評価し、沿線活性化に協力的だ。特別列車の運行はその一環であり、今後も定期的なイベント列車の運行が期待される。
まとめ
札沼線の存続は依然として厳しいが、当別町はロイズタウン駅を切り札に、鉄道維持の道を模索している。観光と鉄道の相乗効果で、地域の活性化と路線維持の両立を目指す。佐藤課長の「絶対維持する」という強い決意が、今後の取り組みを後押しするだろう。



