新型日産キックス、アメフトヘルメット由来の斬新デザイン採用の舞台裏
新型キックス、アメフト由来デザインの舞台裏

日産自動車の新型「キックス」は、アメリカンフットボールのヘルメットから着想を得たというユニークなフロントフェイスが注目を集めている。近年の日産車でアイコンとなっている「Vモーション」デザインは影を潜め、新たな方向性を示す意欲作だ。本稿では、このデザインが採用されるに至った経緯や、開発チームの意図を詳しく解説する。

デザインテーマは「タフ&アジャイル」

新型キックスのエクステリアデザインのテーマは「タフ&アジャイル」。まるでアメリカンフットボール選手のように、力強くダイナミックでありながら、俊敏さも兼ね備えた見た目を目指したという。ボディ全体をプロテクトするような力強いシルエットが特徴で、下回りはブラックアウト処理により軽快さを表現している。

特にフロントフェイスは、アメフトのヘルメットをモチーフにしており、正面から見るとその意図が明確に伝わる。グリルの黒い部分には、うっすらと「Vモーション」の名残が浮かび上がるデザインとなっており、従来のブランドアイデンティティを完全に否定するわけではない巧みさも見せる。

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なぜアメフト? デザイン採用の舞台裏

自動車デザインでモチーフが語られることは多いが、日本市場でアメフトが採用されるのは意外だ。アメフトは米国では国民的人気を誇る一方、日本ではまだ広く認知されているとは言い難い。しかし、新型キックスのデザインに携わった日産社員によると、実際に採用されたデザインはコンペ段階で「ダークホース」と呼ばれていたという。

デザインコンペでは複数のチームが案を提示。最終的に採用されたのは、米国チームが提案した「ダークホース案」だった。これにより、アメフトがモチーフであることにも納得がいく。タフなデザインを目指す中で、米国チームの提案が選ばれた背景には、グローバル市場での訴求力への期待もあったとみられる。

Vモーションを排した決断

ちなみに、デザインコンペには「Vモーション」を強調した案も存在したという。しかし、「これがなくても、日産っぽいと言われるようなキャラクターがあり、デザインが完成していればそれでいい」という結論に至り、現在のデザインが採用された。同じブランドのクルマが同一の顔を持つ必要はなく、新型キックスはその自由な発想から生まれたと言える。

新型キックスは、従来の日産デザインとは一線を画す存在でありながら、ブランドの本質を損なわないバランスが評価されている。この大胆なデザイン変更は、今後の日産車の方向性を示唆するものとして、自動車業界内外で注目を集めている。

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