熊本県水俣市にある廃墟モール「エムズシティ」は、開業当初から続いた競合との消耗戦、そして生協水光社の台頭により、現在は建物の半分が閉鎖される寂しい状況にある。ショッピングセンター研究家の坪川うた氏が現地を訪れ、その切ない歴史を報告する。
廃墟モールの現状:ガラガラの店内とBGMだけが響く
エムズシティは、水俣駅から国道3号沿いに10分ほど歩いた場所に位置する。周辺にはネッツトヨタやガスト、ドコモ、メガネのヨネザワなどのチェーン店が並ぶロードサイドエリアだ。しかし、モール内部はガラガラで人がおらず、空き区画だらけ。BGMだけが虚しく響いているという。
開業当初から2つの競合が存在
エムズシティの歴史は、開業当初から厳しい競争にさらされていた。地元の百貨店「衣屋」と「寿屋」が近隣にあり、早くから安売り合戦が繰り広げられた。消耗戦の末、衣屋は寿屋に買収されるが、寿屋も経営難に陥る。
生協水光社の台頭
さらに、地元の生協である水光社が台頭。衣屋や寿屋を上回る集客力を発揮し、エムズシティのテナントとして出店するも、結局は競合としてモールの衰退を加速させた。生協の強さが、エムズシティの命運を分けたと言える。
寿屋の経営破綻と都市間競争
寿屋は経営破綻し、エムズシティの核テナントが失われた。また、熊本市や八代市など周辺都市との競争も激化。水俣市自体の人口減少もあり、モールの存続は困難を極めた。
建物の半分が閉鎖:廃墟化の要因
坪川氏は、廃墟モールが生まれる要因として、競合の激化、核テナントの喪失、地域経済の衰退、そして生協のような新たな競合の台頭を挙げる。エムズシティはその典型例であり、現在も建物の半分が閉鎖されたまま、寂れた姿をさらしている。



