カニカマ輸出拡大、海外比率10%へ
山口県長門市に本社を置く水産加工品メーカー「フジミツ」は、魚のすり身から作るカニカマや、チーズをすり身で包んだ一口大かまぼこなどを、東アジアを中心に7か国・地域に輸出している。世界的に魚食が健康に良いという認識が広まる中、売上高に占める海外事業の比率を現在の2%弱から、5年後には10%に引き上げる目標を掲げている。
1887年創業、国内市場縮小で海外シフト
1887年創業のフジミツは、魚のすり身で作る「練り製品」のメーカーとして西日本トップレベルの売上規模を誇る。しかし、国内市場は縮小傾向にあり、会長兼社長の藤田雅史氏が2002年に5代目社長に就いてから海外に力を入れ始めた。藤田社長は「海外市場の開拓は成長の鍵」と語る。
中国進出からカニカマ輸出へ
アジア圏への進出を模索する中、日系商社からの提案で2010年に中国の食品会社と合弁企業を設立。日系小売店向けのちくわなどを中国で製造し始め、2013年頃には別の中国企業からの提案で長門市の工場からカニカマの輸出を開始した。
常温保存可能な商品開発が強み
海外では冷蔵輸送の物流網が整っていないため、常温で日持ちする商品を開発。カニの風味と食感の再現力も強みに、台湾や香港に販路を広げ、現在の輸出の6割強をカニカマが占める。鍋文化が根付く国・地域には、ちくわなどが入ったレトルトおでんセットも販売している。
処理水放出の影響と新事業展開
2023年には福島第一原子力発電所の処理水放出を巡り、中国が日本産水産品などの輸入を停止した影響で打撃を受けたが、新事業展開のきっかけにもなった。2025年には製造技術を提供しコンサルタント料を受け取る事業に着手し、インドや中国の企業と契約を結んだという。藤田社長は「この経験を活かし、さらに海外展開を加速させたい」と述べている。



