20年止まった化粧品規制が緩和へ、業界驚く永田町の動き—輸出2兆円目標の追い風
20年止まった化粧品規制緩和へ、業界驚く永田町の動き

20年以上にわたり変わらなかった日本の化粧品規制が、今、急速に動き始めている。政府は化粧品を成長産業と位置づけ、2033年までに輸出額を現在の約4倍となる2兆円に拡大する目標を掲げた。2026年5月には自民党議員による「J-Beauty産業研究会」が政府に提言を提出。業界関係者は「正直、こんなに速く進むとは思わなかった」と異例のスピード感に驚きを隠せない。

業界と行政の思惑が一致

日本化粧品工業会(粧工会)の山本順二・専務執行理事は、今回の動きについて「業界側と行政側の問題意識が重なった結果」と分析する。粧工会では2023年に産業政策委員会を設置し、国際競争力の強化や産業振興について議論を重ねてきた。ちょうどその頃、行政や国会議員の間でも化粧品産業への関心が高まり、業界の課題を説明する機会を得たという。

自民党のJ-Beauty産業研究会では、粧工会会長の小林一俊(コーセーホールディングス代表取締役会長グループCEO)が業界の課題について説明。経済産業省の検討会にも委員会メンバーが参加している。

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長年の課題:広告表現と新成分承認

これまで業界が国に対して求めてきたのは、主に広告表現の規制緩和と新成分の承認プロセスの迅速化だ。日本の化粧品規制は20年以上にわたり大きな変更がなく、技術の進歩に規制が追いついていないとの指摘が長年続いていた。例えば、新しい有効成分の承認には長い期間と多大なコストがかかり、海外企業に比べて競争力が低下する一因となっていた。

また、広告表現においても、効果を謳う際のエビデンス要件が厳しく、海外で認められている表現が日本では使えないケースが少なくなかった。これらの課題が、日本発の化粧品ブランドの海外展開を阻む壁となっていた。

業界は一枚岩ではない

規制緩和への期待が高まる一方、業界内部は必ずしも一枚岩ではない。大企業と中小企業では規制緩和による恩恵の受け方が異なり、大手企業は新成分承認の迅速化を強く求める一方、中小企業はコスト負担や品質管理の面で慎重な姿勢を見せることもある。山本氏は「業界全体の声をまとめるのが粧工会の役割」とし、バランスの取れた提言を目指す考えを示した。

輸出拡大へ追い風

今回の規制緩和の機運は、日本の化粧品輸出拡大にとって大きな追い風となる。特にアジア市場では日本製化粧品への信頼が厚く、高品質なスキンケア製品やメイクアップ製品への需要が高まっている。政府の2兆円目標達成には、規制緩和による新製品の迅速な市場投入と、海外での積極的な広告展開が不可欠だ。

山本氏は「今回の動きは、業界にとって待望のチャンス。これからが正念場だ」と語り、今後の具体化に向けた議論の加速に期待を寄せた。

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