EVシフトの陰で存在感増す中国のガソリン車、トヨタやVWを脅かす
中国ガソリン車がトヨタVWを脅かす背景

電気自動車(EV)へのシフトが世界的に加速する中、中国ではガソリン車市場が静かに、しかし確実に勢力を拡大している。中国政府のEV推進策が注目を集める一方で、従来型の内燃機関車に対する需要は依然として強く、特に低価格帯のセグメントでは中国国内メーカーが急速にシェアを伸ばしている。

中国ガソリン車市場の現状

中国自動車工業協会(CAAM)のデータによると、2023年の中国におけるガソリン車の販売台数は前年比で約5%増加し、約1800万台に達した。これはEV販売台数の約2倍に相当する。EV市場の成長が目覚ましい一方で、ガソリン車の絶対的な需要は依然として大きく、特に地方都市や農村部では充電インフラの整備が遅れていることから、ガソリン車が主要な選択肢となっている。

国内メーカーの台頭

中国の自動車メーカー、特にBYDや吉利汽車(Geely)は、ガソリン車の分野でも競争力を高めている。BYDは2023年にガソリン車の販売台数で前年比20%増を記録し、同社全体の販売台数の約40%を占めた。吉利汽車も同様に、低価格ながら品質の高いモデルを投入し、外資系メーカーからシェアを奪っている。

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「中国メーカーのガソリン車は、かつては低品質のイメージがあったが、今では品質面でも外資系に匹敵するようになった」と、上海に拠点を置く自動車アナリストの李強氏は語る。特に、トヨタやフォルクスワーゲン(VW)など、これまで中国市場で強い地位を築いてきた外資系メーカーは、価格競争で苦戦を強いられている。

外資系メーカーへの影響

トヨタは2023年の中国市場での販売台数が前年比で約10%減少し、特にガソリン車のセグメントでシェアを落としている。VWも同様に、中国合弁会社での販売が低迷しており、2023年の営業利益は前年比で15%減少した。両社ともEVへの投資を加速しているが、ガソリン車の収益減少を補うには至っていない。

「外資系メーカーは、中国市場でのガソリン車の需要がまだ大きいことを過小評価していた」と、北京のコンサルティング会社Dunne Insightsのマイケル・ダン氏は指摘する。中国メーカーは、コスト競争力と迅速なモデルチェンジで優位に立っており、外資系メーカーは価格引き下げを余儀なくされている。

今後の展望

中国政府は2035年までに新車販売の半数をEVにする目標を掲げているが、ガソリン車の完全廃止は見込まれていない。むしろ、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車を含む広義の内燃機関車は、引き続き市場の重要な部分を占めると予想される。

中国メーカーの台頭は、世界の自動車業界に新たな地殻変動をもたらしている。トヨタやVWは、中国市場での地位を維持するために、より積極的な戦略が求められるだろう。一方で、中国メーカーは東南アジアやアフリカなど新興市場への輸出も増やしており、世界のガソリン車市場における存在感をさらに強めている。

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