エアコン需要急増で売り場活況、2027年問題で買い替え加速
エアコン需要急増、2027年問題で買い替え加速

本格的な夏の到来を前に、家庭用エアコンの販売競争が早くも熱を帯びている。省エネルギー基準が厳格化される「エアコンの2027年問題」を意識した消費者が、初期費用を抑えようと現行モデルへの駆け込み需要が発生。取り付けまでに時間がかかるケースが頻発している。中国情勢の緊迫化が続く中、ナフサ関連の部素材の供給不足も現場の混乱に拍車をかけている。

買い替えの検討を呼びかけるビックカメラ有楽町店のエアコン売り場=2026年6月8日、東京都千代田区(塚本一撮影)

取り付けに3週間待ち

「例年は6月ごろが販売のピークだが、今年は早くから購入する人がかなり多い」。ビックカメラ有楽町店(東京都千代田区)の売り場担当者は、今年のエアコン販売の立ち上がりの早さをこう説明する。4~5月のエアコンの売り上げは前年比1.7倍に上り、設置工事も約3週間待ちの状態だという。

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日本電機工業会によると、4月のエアコン出荷額は前年同月比約34%増の1002億円と同月として過去最高を記録した。「万円シリーズ」を手掛ける三菱電機でも、4月の出荷台数は約30%増で過去最高だったという。

駆け込みの要因は2027年問題

駆け込みの要因となっているのが、2027年問題だ。消費電力が最も多い家電とされるエアコンについて、国は来年4月から、新たに14~35%のエネルギー効率改善をメーカーに求める。6~8畳用の標準モデルの場合、現行の6万~9万円程度から、新基準への対応により数万円程度の価格上昇が避けられない見通しだ。

このため「少しでも安いうちに」と、買い替えのタイミングを前倒しする人が増えている。温暖化の影響で暑さの厳しさが早まっていることも、早めの購入を後押ししており、「複合的な要因で需要が強まっている」(国内メーカー)。

1万数千円分の節電効果も

ただ、焦って購入する前に、費用対効果をよく見極める必要はある。

調査会社ユーロモニターの試算では、新基準に対応したエアコンだと年間数千~1万数千円分の電気代が安く。同社の大和田俊シニアアナリストは「エアコンの平均使用年数は13~14年のため、トータルで見れば本体値上がり分を回収できる。今後、電気代が上がれば回収期間はさらに短くなる」と指摘する。

原材料はナフサ供給不安

懸念材料は原油由来のナフサの供給不安だ。「配管カバーなどの部材などがそろわず、取り付け工事の遅れも起きている」(大和田氏)。ナフサ不足が解消しない限り、必要なときにすぐにエアコンを設置できない事態が長引く可能性もあるという。(塚本一)

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