「なぜなぜ分析」が部下指導に逆効果?公認心理師が教えるリフレーミングの重要性
「なぜなぜ」が部下指導に逆効果?リフレーミングの重要性

「なぜなぜ分析」はトヨタ生産方式で広く知られる問題解決手法だが、これを部下の指導にそのまま応用すると、かえって逆効果を生む可能性がある。公認心理師の永藤かおる氏(『「アドラー」だから自分で動ける部下が育つ 上司の教え方』著者)は、モノの不具合を追及するロジックをヒトに適用することの危険性を指摘する。

「なぜなぜ分析」の落とし穴

「なぜなぜ分析」は、製造現場で不良品の原因を5回の「なぜ」で掘り下げる手法として有効だ。しかし、永藤氏は「この発想をヒトの問題にそのまま当てはめると、部下の欠点探しに終始し、教える側も疲弊する」と警告する。上司が「なぜミスをした?」と繰り返すことで、部下は委縮し、主体性を失うケースが多いという。

リフレーミングで強みを引き出す

永藤氏が推奨するのが、アドラー心理学の「リフレーミング」だ。これは物事の見方を意識的に変え、同じ特徴を別の意味づけで捉え直す手法。「飽きっぽい」は「好奇心が旺盛」に、「ルーズ」は「おおらか」に変換できる。これにより、相手を否定的に見る習慣から肯定的な視点へと転換できる。

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実践のためのツール

リフレーミングに不慣れな人は、書籍掲載の「リフレーミング辞典」やスマホアプリ「ネガポ辞典」、ChatGPTをゲーム感覚で活用するのが効果的だと永藤氏は述べる。これらを使うことで、短所を長所に言い換える練習が容易になる。

「好き嫌い」を超えた指導関係

永藤氏は「相手の良いところに目を向けるだけで、教える側のイライラやストレスが軽減される」と強調する。たとえ苦手な部下でも、「好き嫌い」の感情を脇に置き、冷静に長所を見つけることで、自然と言動が変わる。結果として、好き嫌いを超えた関係性が築け、指導が楽になるという。

勇気づけのスキル

リフレーミングは「勇気づけ」の基礎スキルだ。永藤氏は「粗探しばかりの指導は教える側を疲弊させるが、良いところに焦点を当てれば双方にとってプラスになる」と述べる。具体的な勇気づけの方法については、著書でさらに詳しく解説されている。

トヨタ式の誤用を避ける

永藤氏は、トヨタ式の「なぜなぜ分析」をヒトに適用する際の注意点を強調する。モノの不具合には有効でも、部下の行動に使うと「ダメ出し教育」になりかねない。代わりに、リフレーミングで視点を変え、小さな前進を認めることで、部下のチャレンジ精神を育むことが重要だという。

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