日銀マイナス金利解除後も住宅ローン金利上昇幅は限定的か
日銀マイナス金利解除後も住宅ローン金利上昇は限定的か

日本銀行がマイナス金利政策を解除した後も、住宅ローン金利の上昇幅は限定的にとどまる可能性が高い。複数のエコノミストや住宅ローン専門家が、そうした見方を示している。

固定金利は長期金利に連動、変動金利は短期金利が基準

住宅ローン金利は大きく分けて、固定金利と変動金利の2種類がある。固定金利は主に長期金利(10年国債利回り)に連動する。一方、変動金利は短期金利(政策金利)に連動する。日銀がマイナス金利を解除すれば、短期金利は上昇するが、長期金利はすでに市場で一定程度上昇しているため、固定金利の上昇余地は限られているという。

実際、長期金利は2023年後半から上昇傾向にあり、1月には一時0.8%台をつけた。マイナス金利解除が織り込まれつつあるため、固定金利はすでに一部上昇している。例えば、大手銀行の10年固定金利は2023年初めの1%程度から、2024年2月時点で1.5%前後に上昇している。しかし、今後大幅に上昇する可能性は低いとみられる。

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金融機関間の競争激化が変動金利の上昇を抑制

変動金利については、金融機関間の競争が激化していることが上昇を抑制する要因となっている。多くの銀行が変動金利の優遇幅を拡大しており、実際の適用金利は低水準で推移している。例えば、ネット銀行の変動金利は年0.3%台から0.5%台と、歴史的低水準にある。

野村総合研究所のエコノミストは「金融機関は住宅ローン市場でのシェア争いを続けており、簡単に金利を引き上げられない。マイナス金利解除後も、変動金利の上昇は小幅にとどまるだろう」と指摘する。

専門家「大幅な金利上昇は想定しにくい」

第一生命経済研究所の主席エコノミストは「日銀がマイナス金利を解除しても、政策金利の引き上げ幅は年0.25%程度と小幅にとどまる可能性が高い。変動金利への影響は限定的だ」と述べている。

また、住宅ローン比較サイト「モゲチェック」の代表は「借り手にとっては、変動金利を選ぶメリットが継続する。ただし、金利上昇リスクを考慮し、返済余力を確保しておくことが重要だ」と注意を促す。

借り手は長期的な金利上昇リスクに備えを

一方で、中長期的には金利上昇リスクがあることも認識しておく必要がある。日銀が正常化の道筋を描く中で、政策金利が段階的に引き上げられる可能性は否定できない。特に、変動金利で借り入れている場合、金利上昇によって毎月の返済額が増えるリスクがある。

金融庁は2023年12月、住宅ローン利用者向けに「金利上昇に備えた返済計画の見直し」を促すリーフレットを公表した。同庁は「変動金利を選択する場合、金利が上昇しても返済できるよう、余裕を持った借入額に抑えることが大切」としている。

総合的に見て、日銀のマイナス金利解除が住宅ローン金利に与える影響は限定的だが、借り手は長期的な金利上昇リスクを認識し、適切な金利タイプを選択することが求められる。

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