全東信破産、未払い金は53億円
クレジットカード決済代行会社「全東信」(大阪市)の破産手続き開始決定を受け、経済産業省は14日、関係省庁と連携し、決済代行業者の実態調査を行う方向で検討していることを明らかにした。全東信の破産により、加盟店への未払い金は53億円に上り、全国378か所に設置された特別相談窓口には13日までに82件の相談が寄せられている。
経産省によると、クレジットカード会社は登録制で監督される一方、全東信のような決済代行業者は財務や経営状況を監督する仕組みがなく、実態を把握できていなかった。今回の調査では、これまで把握していなかった決済代行業者の規模や経営状況などを明らかにし、今後の対応策に生かす考えだ。
赤沢経産相「規制導入は慎重に」
赤沢経産相は14日の閣議後記者会見で、「事業継続への不安や影響に寄り添い、万全を期していく」と強調した。一方で、決済代行業者への規制導入など監督機能の強化については、「加盟店手数料の引き上げや支払いサイクルの長期化などで(加盟店の)資金繰りに支障が生じる恐れもあり、現時点では慎重に検討すべきだ」と述べ、慎重な姿勢を示した。
全東信の破産を受け、経産省は中小の飲食店などに対し、日本政策金融公庫による貸し付け要件の一部緩和など資金繰り支援に乗り出している。特別相談窓口では、未払い金に関する相談のほか、今後の事業継続に向けたアドバイスも行っている。
決済代行業者の監督の課題
今回の事態は、クレジットカード決済代行業者が実質的に無登録で事業を行える現状の制度の隙を突いた形だ。経産省は、業界団体へのヒアリングなども通じて、自主規制の可能性も含めた対応を検討するとしている。
全東信の破産は、2026年7月14日に大阪地裁が破産手続き開始を決定したことで明らかになった。同社は中小飲食店や小売店を中心に約1万2000店舗の決済代行を行っていたとみられる。



