2026年3月9日、東京・NHKホールからスタートしたレミオロメン15年ぶりの再始動ツアー『Reunion Tour 2026』が、7月11日・12日の山梨YCC県民文化ホール公演で幕を閉じた。全国21公演を巡り、地元山梨でファイナルを迎えた彼らは、長い歳月を経てより強固になった3人の絆と、音楽性の成熟を鮮やかに証明してみせた。
オープニングから原点をなぞる
BGMが途切れ、青い光に包まれたステージに、藤巻亮太(Vo&Gt)が奏でるギターが響く。1曲目は「追いかけっこ」。藤巻の弾き語りから始まり、2コーラス目で神宮司治(Dr)のドラムが加わり、さらに前田啓介(Ba)のベースが合流。音が重なるたびにバンドの輪郭が鮮明になる演出は、「3人が集まれば、そこがレミオロメンになる」ということを説得力を持って提示した。
続いて「まめ電球」「フェスタ」と、山梨で生まれた初期の楽曲を披露。活動休止中も待ち続けたファンへの感謝を込めた選曲だ。各会場で「今回のライブが初めての人」のアンケートでは、半数近くが手を挙げたという。
MCで感謝と決意を表明
「ただいまー、山梨―!」と藤巻が第一声を投げかけると、会場から「お帰りー!」の声が飛び交った。「今回のツアーは、みんなに感謝を伝えるためのツアーだと思っています。久しぶりに今日観てくれる方も、初めてライブを観るという方も、楽しんでいただけるように、練りに練ったセットリストでお届けします」とMC。そこから「春夏秋冬」へと続き、サポートキーボードの皆川真人が加わった。
シンプルなステージセットを、照明演出が表情豊かに彩った。「春夏秋冬」では、春は桜のピンク、夏はひまわりの黄色、秋は紅葉のオレンジ、冬は雪のような白い光と、一節ごとに色が移り変わる。エンディングの3人のコーラスと皆川のピアノアウトロが観客を魅了した。
バンドの成長と新たな決意
「モラトリアム」で会場の熱気が最高潮に達した後、藤巻はバンド結成当初を振り返り、リハーサルで「いろんな関係性を歌っている曲が多いなと思う」と気づきを語った。ラブソングの男女関係や、夢と現実、田舎と都会の対比から生まれた楽曲は「僕らの財産になっている」とし、「Wonderful & Beautiful」へと繋げた。
「アイランド」では、深い海底を思わせる青い光と、水面を揺らす繊細な光で始まり、楽曲が熱を帯びるにつれ白い光が客席へ放たれた。暗闇から光を掴み取ろうとするアンサンブルと照明のシンクロは息を呑む瞬間だった。
「電話」から「粉雪」への流れでは、夏から冬への温度変化をサウンドで表現。イントロの静けさからサビの爆発的なエモーションへのダイナミクスが鮮やかだった。
再始動の思いと新たな約束
メンバー紹介後、藤巻は再始動に向けて3人だけでスタジオに入ったときのことを振り返った。「そのときに3人で笑顔が止まらなくて。いいねって、そのときすごい楽しかったんですよ。これは僕たち3人だけが楽しいっていうのもいいんだけれど、やっぱり聴いてもらいたいねって、心から3人が思ったんです」と語り、「いっときの再活動じゃなくて、自分たちのペースで、自分たちの歩幅で、これからもレミオロメンの音楽を届けていけたらなと思っています。いろんなところに音楽を届けていきながら、また何度でも地元・山梨で音楽を届けたいと思います」と心境を明かした。
そして「もっと遠くへ」をピアノと歌だけで始め、徐々にバンドサウンドが加わる感動的な展開へ。再始動に向けて書き下ろした新曲「さあはじめよう」では、観客がタオルを回し、会場のボルテージが一気に跳ね上がった。
サプライズ発表とアンコール
アンコールで再び登場したメンバー。藤巻が「前に前に進みたい、レミオロメンの音楽をどんどん伝えたいという思いが……次のツアー回ります!2027年全国ツアーが決定しました。『Re Dialogue Tour 2027』という名前です。来年の3月9日東京ガーデンシアターから全22本、また回りたいと思います」と発表すると、会場は歓喜に包まれた。
今回のツアーを経て「音楽には言葉を超えた対話がある」と実感し、『Re Dialogue Tour 2027』と名付けたという。再始動当初から「時間がかかっても全都道府県を回る」と公言していたメンバーの言葉を証明する形となった。
「太陽の下」で温かさを届けた後、もう一つの新曲「100億の承認欲求」の演奏前に、藤巻は再始動にあたり2人と対話したとき、自分と同じように2人も苦しんでいたと気づいたと語った。「お互いの痛みを理解し、それを分かち合えたからこそ、再び3人で音を鳴らすことができた」という思いが込められたこの曲は、現代を生きる人々へのメッセージであり、3人が孤独を越えて再会した証明のように響いた。
ツアーの締めくくりは「3月9日」。3月9日にNHKホールから始まったツアーが、巡り巡って地元山梨でファイナルを迎えた。この美しい円環を閉じるように奏でられた「3月9日」は、メンバーからファンへ、そしてファンからメンバーへの、新たな始まりを祝福する歌へと昇華した。
セットリスト
- M01. 追いかけっこ
- M02. まめ電球
- M03. フェスタ
- M04. 春夏秋冬
- M05. ドッグイヤー
- M06. Sakura
- M07. 明日に架かる橋
- M08. モラトリアム
- M09. Wonderful & Beautiful
- M10. アイランド
- M11. 電話
- M12. 粉雪
- M13. もっと遠くへ
- M14. さあはじめよう
- M15. 雨上がり
- M16. スタンドバイミー
- M17. 南風
- EN1. 太陽の下
- EN2. 100億の承認欲求
- EN3. 3月9日
16年という歳月を経て、山梨のステージに立っていたのは、バンドを始めた頃のようなシンプルな機材を背に、お互いの傷さえも音に変えて圧倒的な光を放つ、あの頃以上に強くて優しいレミオロメンだった。原点をなぞり、現在地を示し、そしてファンとの約束を胸に未来へと歩みを進めた3人。陽だまりのような音楽と、思わず笑ってしまう3人のMC。その温もりを、ぜひ次のツアーで実際に体感してほしい。



