「君の曲が欲しい、でも君はいらない」外見差別の実態と小椋佳の絶望エピソード
「君の曲が欲しい、でも君はいらない」外見差別の実態

2023年2月5日、女性自身(光文社)のインタビューで、文学紹介者の頭木弘樹が、シンガー・ソングライター小椋佳の知られざるエピソードを明かした。NHK「ラジオ深夜便」の人気コーナー「絶望名言」に出演する頭木は、ビジネスと人生の“絶望”に効く名言を毎週紹介している。

一本の電話が人生を変える

小椋佳がまだ無名だった頃、歌人で劇作家の寺山修司作のミュージカルを見て感動した彼は、劇場の外の電話ボックスで電話帳を引き、寺山に直接電話をかけた。この行動がきっかけで交流が始まり、寺山が作詞した歌をまとめた『初恋地獄篇』というレコードが発売される際、小椋も2曲ほど歌うことになった。

ディレクターの誤解と衝撃の一言

そのレコードを聴いた多賀英典というレコード会社のディレクターは、小椋佳という人物が寺山修司の知り合いであることから、きっと美輪明宏のような美形で、15、16歳の美少年に違いないと思い込んだ。多賀は小椋の正体を探すのにずいぶん苦労したという。しかし、実際に見つけた小椋佳は25歳の銀行員で妻子持ち。外見も容姿端麗ではなかった。

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多賀は自ら声をかけたにもかかわらず、心の中でどう断ろうかと考えていた。しかし、小椋の作った歌を聴き、「君の曲が欲しい。でも、君はいらないんだけど」と言い放った。この一言は、外見が実力以上に評価されるビジネス社会の厳しい現実を象徴している。

美少年探しとレコード発売の困難

多賀は小椋の曲を歌うのにふさわしい美少年を探したが、なかなか見つからなかった。結局、小椋自身の歌でレコードを出すことになり、若手映画俳優の語りも加えて、小椋の顔写真は前面に出さない方針を取った。それでも重役会議で反対され、お蔵入りに。多賀はなんとしてもレコードを出そうとしたため、ディレクター職を降ろされ、一時大阪の営業員に回されてしまった。

外見差別がもたらす絶望

このエピソードは、ビジネスや人生における外見の重要性と、実力が軽視される絶望を浮き彫りにする。頭木弘樹は「見た目は仕事の実力以上に重要か?」と問いかけ、多くの人が共感するテーマを提示している。小椋佳のケースでは、最終的に彼の音楽が評価されたが、外見による偏見が大きな障壁となった。

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