農産物高騰の裏でJAは農家を苦しめる存在に? 山下一仁が問う組織の存在意義
農産物高騰の裏でJAは農家を苦しめる存在に?

農産物の価格高騰が家計を圧迫する中、その背後にある農業組織の構造的問題が浮き彫りになっている。元農水官僚で武蔵野大学国際総合研究所研究主幹の山下一仁氏は、連載「農政を問う」の中で、JA農協の在り方に鋭くメスを入れる。

JAの巨大な市場支配力

山下氏は、JA農協がコメ市場で約5割、肥料で8割、機械や農薬で6割という圧倒的なシェアを握っていると指摘する。本来、農協は小規模農家が共同で安く肥料を購入するために設立された組織だった。しかし現在、JA全農は三菱商事や三井物産といった大手商社を凌ぐ市場支配力を持ち、アメリカの2倍もの価格で肥料や農薬を組合員に販売しているという。

独占禁止法の適用除外という特権

JAがコメ価格の吊り上げを行っても独占禁止法が適用されないのは、同法第22条の規定による。これは小規模事業者や消費者の相互扶助を目的とする協同組合を対象に、一定の行為を適用除外とするものだ。しかし山下氏は、JAがもはや「小規模」ではなく、「市場における有力な事業者」である以上、この特権は滥用されていると主張する。

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協同組合原則からの逸脱

山下氏は、JAが協同組合の基本原則である「組合員のために活動する」という理念から乖離していると批判する。コメ価格を吊り上げて消費者を苦しめるだけでなく、組合員である農家に対しても高額な資材を強制販売し、経営を圧迫している。これでは「協同組合ですらない」と断じる。

農協法第8条の廃止を提言

山下氏は、農協法第8条の廃止を提案。この条項がJAに独占的な地位を与え、農家いじめを許しているとし、抜本的な制度改革が必要だと訴えている。

JAの存在意義が問われる中、消費者のみならず農家自身も苦しめるこの構造をどう改革するか。山下氏の問題提起は、日本の農業政策の根幹を揺るがすものとなっている。

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