EU司法裁判所、Appleに39億ユーロの追徴課税を命じる
欧州連合(EU)の最高裁判所に相当する欧州司法裁判所(ECJ)は10日、米アップル(Apple)に対して約39億ユーロ(約6200億円)の追徴課税を命じる判決を下した。アイルランド政府が同社に不当に低い税率を適用し、EUの競争法に違反する国家補助を提供していたと認定したためだ。
この判決は、EUの競争当局である欧州委員会が2016年に下した決定を支持するもの。欧州委は、アイルランドがアップルに対して、他の企業よりも有利な税務処理を行い、実質的に違法な国家補助を与えていたと主張していた。
アイルランドの税制優遇措置が問題に
アイルランド政府はアップルに対して、同社の欧州事業に関する税務上の取り扱いで特別な優遇措置を提供していた。具体的には、アップルがアイルランドに設立した2つの子会社に対して、他の企業よりも大幅に低い実効税率を適用していたとされる。
欧州委の試算によると、アップルはこの優遇措置によって2014年までの10年間で約130億ユーロの税金を回避した可能性がある。しかし、今回の判決で追徴課税の対象となるのは約39億ユーロに限定されている。
アップルは上訴の意向
アップルはこの判決に対して強く反発しており、上訴する方針を明らかにしている。同社は「欧州委の主張は事実に基づいておらず、アイルランドの税法を無視している」とコメント。また、アイルランド政府も同様に判決を不服としており、上訴を検討している。
一方、欧州委のマルグレーテ・ベステアー競争政策担当委員は「すべての企業は、規模や国籍にかかわらず、同じ税務ルールの対象となるべきだ。この判決は、税の公平性を確保する上で重要な一歩だ」と述べた。
EUの税制是正の流れ
EUは近年、多国籍企業による税逃れを防ぐための取り組みを強化している。特に、アイルランドやルクセンブルクなど、低税率を提供する加盟国に対しては、不当な税制優遇措置を是正するよう圧力をかけている。
今回の判決は、他の多国籍企業にも影響を与える可能性がある。EU域内で税務上の優遇措置を受けている企業は、今後より厳しい監視にさらされることが予想される。



