ヤマダホールディングスとエディオンが、2026年10月をめどに経営統合することで合意した。実現すれば、売上高2.5兆円規模の巨大家電量販グループが誕生する。一見すると、業界再編の波に見えるが、その背景には単なるECの台頭だけではない、より深い構造変化が潜んでいる。
家電量販店離れの加速
インターネット調査機関「マイボイスコム」の調査によると、家電購入先は実店舗68.6%に対し、Amazonや楽天市場などのオンラインショップが36.0%、家電量販店のオンラインショップが24.3%で、合計するとEC・ネット販売が60.3%と実店舗に迫る。また、家電量販店を週1回利用するユーザーは14年間で12.5%から3%へと4分の1に激減し、年に1回以下の利用者は8.9%から28.1%へと3倍に増加している。若年層を中心に「家電量販店離れ」が明確に進行しているのだ。
真のライバルはECだけではない
業界関係者によると、家電量販店の真の競争相手はECサイトだけではない。ドン・キホーテやニトリなどの「シンプル家電」を扱う小売店が、低価格で十分な機能を持つ家電を提供し、顧客を奪っている。家電技術の成熟により、海外メーカーでも品質が向上し、日本メーカーの優位性は薄れている。その結果、家電量販店が従来頼ってきたメーカーからのリベートや販売員(ヘルパー)による手数料収入に依存するビジネスモデルが限界を迎えている。
ヤマダの業績低迷
ヤマダHDの売上は2014年度の約1.9兆円から2025年度には1.6兆円に減少。営業利益は500億円超から160億円に落ち込み、在庫処分などで240億円の特別損失も計上した。ただし、住建事業(住宅・リフォーム)が売上3000億円、利益100億円規模に成長しており、これを除くと家電事業の低迷はさらに深刻だ。
統合の背景と業界再編
人口減少と少子化により、地方を中心に家電量販店の過剰な店舗網(オーバーストア)が課題となっている。統合により店舗整理や物流効率化が期待される。一方で、ノジマは「2位、3位でいい」という戦略で独自の生き残りを模索し、ビックカメラは医薬品や酒類など家電以外の品ぞろえで差別化を図っている。ヤマダ・エディオン統合は、業界再編の象徴的な出来事だが、真の勝ち筋はまだ見えていない。



