トランプ関税、米消費者への転嫁急増 小売各社が価格改定
トランプ関税、米消費者への転嫁急増

トランプ前政権が導入した関税の影響が、米国小売業界で本格的に表面化している。ウォルマート、ターゲット、ホーム・デポなどの大手小売企業が、輸入コストの上昇を消費者価格に転嫁する動きを加速させている。

ウォルマート、家電・衣料で最大15%値上げ

世界最大の小売企業ウォルマートは7月14日、中国からの輸入品を中心に、家電製品や衣料品の価格を最大15%引き上げると発表した。同社の広報担当者は「サプライヤーからの価格改定要請が相次いでおり、一部を価格に反映せざるを得ない」と説明。対象商品は約2万点に上るという。

他の小売大手も追随している。ディスカウントストアのターゲットは同日、家具や玩具などで5~10%の値上げを公表。ホームセンターのホーム・デポも、金物や工具類で平均8%の値上げを実施すると発表した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

関税コスト、年間500ドルの家計負担増に

今回の値上げは、トランプ前政権が2018年から2019年にかけて発動した対中関税第1弾~第4弾の影響が、サプライチェーンを通じて顕在化したもの。米国小売業協会(NRF)の試算によれば、関税により米国の家庭は年間で平均500ドルの追加負担を強いられる見通し。

「関税は事実上の消費税だ。企業が吸収できる限界を超えている」と、NRFのエコノミスト、ジャック・クライン氏は指摘する。同氏は「年末商戦に向けてさらなる値上げが避けられない」と警告した。

中小小売店も打撃、値上げ幅は大手上回る

中小の小売店も打撃を受けている。シカゴで衣料品店を営むジェニファー・ロペスさん(仮名)は「仕入れ値が20%上がったが、客離れを恐れて価格には転嫁できていない。利益はほぼゼロだ」と訴える。大手に比べ、中小店は交渉力が弱く、コスト吸収が困難な状況だ。

米商務省の統計によると、2024年上半期の中国からの輸入額は前年同期比で12%増加。関税回避のための迂回輸出も増えており、税関手続きの混乱もコスト上昇に拍車をかけている。

年末商戦控え、消費者の節約志向強まる

こうした状況を受け、消費者行動にも変化が見られる。調査会社ニールセンIQの調査では、消費者の58%が「値上げを理由に購入を控える商品がある」と回答。特に電化製品や衣料品で節約志向が強まっている。

専門家は、関税の影響が長期化すれば、米国経済の消費主導の回復に水を差す可能性があると指摘。投資銀行ゴールドマン・サックスは、関税がGDP成長率を0.2ポイント押し下げるとの試算を公表している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ