トヨタ、水素エンジン車で中国市場に再挑戦 現地生産へ
トヨタ、水素エンジン車で中国市場再挑戦

トヨタ自動車が中国市場で水素エンジン車の現地生産に乗り出す。関係者によると、2024年中に生産を開始する見込みで、中国市場でのEV(電気自動車)シフトが加速する中、水素エンジン車で再挑戦する戦略だ。

中国市場での水素エンジン車生産計画

トヨタは中国の合弁パートナーである広州汽車グループと連携し、広州市の工場で水素エンジン車の生産を計画している。具体的な車種は明らかにされていないが、トヨタが既に日本や欧州で販売している水素エンジン車「ミライ」の技術をベースに、中国市場向けに改良したモデルを投入するとみられる。

中国は世界最大の自動車市場であり、中国政府はEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの新エネルギー車(NEV)の普及を強力に推進している。しかし、水素エンジン車もNEVの一種として認定されており、補助金の対象となる可能性がある。

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トヨタの水素戦略の背景

トヨタは水素エンジン車を「究極のエコカー」と位置づけ、長年にわたり開発を進めてきた。しかし、世界的なEVシフトの波の中で、水素エンジン車の販売は伸び悩んでいる。2023年の世界販売台数は約3,900台と、EVの約1,000万台に比べて極めて少ない。

一方、中国市場では2022年に水素エンジン車の販売が前年比で約2倍に増加し、市場が拡大しつつある。トヨタはこの成長市場で先行者利益を得る狙いがあるとみられる。

中国市場での課題と展望

中国での水素エンジン車普及には、水素ステーションの整備が課題となる。2023年末時点で中国全土の水素ステーションは約300カ所と、EV用充電インフラに比べて大幅に少ない。トヨタは中国政府やエネルギー企業と連携し、インフラ整備を促進する方針だ。

また、中国の自動車メーカーも水素エンジン車の開発を進めており、競争が激化している。トヨタは技術力とブランド力を活かし、差別化を図る必要がある。

トヨタの中国事業への影響

トヨタの中国事業は、2023年の新車販売が前年比で約2%減少するなど、厳しい状況が続いている。特にEV分野では中国メーカーに後れを取っており、水素エンジン車で新たな市場を開拓することで、巻き返しを図る。

水素エンジン車の現地生産は、トヨタの中国事業の収益改善に貢献する可能性がある。また、中国政府が掲げる「カーボンニュートラル」目標にも合致し、政策支援を得やすくなる。

今後の見通し

トヨタは2024年中に中国での水素エンジン車生産を開始し、まずはタクシーや物流車両などの商用車向けに販売する計画だ。その後、一般消費者向けの乗用車にも展開する予定。

水素エンジン車の市場がどこまで拡大するかは不透明だが、トヨタは長期的な視点で投資を継続する方針。中国市場での成功が、世界の水素エンジン車市場の行方を左右する可能性がある。

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