トヨタ自動車は2024年の世界販売台数で前年比5%増の約1050万台を記録し、3年連続で世界首位を維持した。しかし、電気自動車(EV)の販売比率は全体の約1%にとどまり、業界全体のEVシフトに乗り遅れているとの指摘が出ている。
販売台数の内訳と地域別動向
地域別では、北米市場が好調で前年比8%増の約280万台、欧州も同3%増の約120万台と堅調だった。一方、中国市場では現地メーカーのEV攻勢により、トヨタの販売は前年比2%減の約190万台と苦戦。中国市場でのシェア低下が目立つ。
ハイブリッド車(HV)の販売は全世界で前年比15%増の約350万台と好調で、トヨタの収益を支えている。しかし、EV販売は約10万台にとどまり、中国のBYD(約300万台)や米テスラ(約180万台)に大きく水をあけられている。
EV戦略の遅れと今後の課題
トヨタは2026年までにEVの年間販売150万台を目指すとしているが、現状のペースでは達成は困難との見方が強い。アナリストは「トヨタのEV投入計画は遅すぎる。特に中国市場では、競合が新モデルを次々と投入しており、トヨタの存在感が薄れている」と指摘する。
また、トヨタは水素エンジン車や次世代電池の開発にも注力しているが、EV市場の急拡大に追いついていない。2024年には中国でEV生産を開始したが、現地調達率の低さがコスト競争力を阻んでいる。
業績への影響と株価
トヨタの2024年度の営業利益は、円安効果もあり過去最高の約5兆円を見込むが、EV投資の拡大により設備投資額は前年比20%増の約2兆円に膨らむ。市場では「短期的な収益は堅調だが、長期的なEV競争力に疑問が残る」との声が聞かれる。
株価は2024年末にかけて年初比5%上昇したが、テスラやBYDの株価上昇率(それぞれ40%超、30%超)を下回っている。投資家の間では、トヨタのEV戦略の明確化が求められている。



