トーシンHD、会社更生法適用も上場維持へ-管財人が語る日本初の試み
トーシンHD、会社更生法適用も上場維持-管財人語る

トーシンホールディングス(HD)が会社更生手続きの開始後も株式上場を維持するという、日本国内で初めての事態が起きている。同社は東証スタンダード市場に上場しており、管財人には粟田口太郎弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)とトーシンHD社長だった石田雅文氏の2人が選任された。しかし、5月28日の臨時株主総会で石田氏が取締役から解任され、その後、取締役会は粟田口弁護士と石田氏を管財人から解任するよう東京地裁に申し立てた。さらに筆頭株主は会社更生手続きの開始決定を取り消すよう即時抗告している。これらの動きは、石田氏の父で創業者の石田信文・前会長の意向を反映したものとみられる。

上場維持の目的と意義

粟田口管財人は、上場維持がステークホルダー保護のために妥当な方針だと強調する。従来、会社更生を申し立てた上場企業は上場廃止となってきたが、トーシンHDは再建計画を事前に作成し、東京証券取引所が認める要件を満たした。再建計画では、取引先金融機関への元本全額と利息の弁済、取引先企業への債務全額支払いを掲げ、申請前に示した14行の取引金融機関からも異議は出なかった。

粟田口管財人は「上場廃止となれば株主の株式は紙切れと化し、一般株主にも影響が及ぶ。上場維持は事業の維持・向上に不可欠であり、債権者、株主、取引先、従業員などステークホルダーにとって有益だ」と述べた。トーシンHDは債務超過には陥っておらず、早期の事業再生を目指しているという。

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創業者の影響力と経営へのこだわり

石田雅文管財人は、創業者である父・信文前会長の影響力が問題の原点だと指摘する。「創業者は会社を私物化し、取引先や金融機関との関係を悪化させた。会社更生手続きの中で創業者の影響力を極小化する必要がある」と述べた。一方、自身の経営へのこだわりについては「正直ない。会社を正常化することが目的だ」と語った。

粟田口管財人は「経営権争いではない。ステークホルダー保護の大義がある」と強調する。管財人解任の申し立てや即時抗告については「裁判所が適切に判断する」と述べるにとどめた。

今後の展望

2人の管財人は9月7日までに東京地裁に更生計画案を提出する予定だ。上場維持型の会社更生が成功すれば、今後の企業再生のモデルケースとなる可能性がある。一方で、創業者側との対立が長期化する懸念もあり、今後の動向が注目される。

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