「優秀なのに職場を壊す人」の正体と企業が野放しにする理由
「優秀なのに職場を壊す人」の正体と企業のジレンマ

あなたの職場にも、優秀だがチームを壊す「ブリリアント・ジャーク」はいないだろうか。現場の社員が「あの人には問題がある」と気づいているにもかかわらず、なぜ彼らは組織に居座り続け、ときには昇進までしてしまうのか。作家でワークスタイル&組織開発専門家の沢渡あまね氏と、ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆氏が、その構造的な理由を分析する。

短期的成果への誘惑がブリリアント・ジャークを生む

多くの企業がブリリアント・ジャークを排除できない最大の理由は、最終的に「成果」というモノサシが評価を左右してしまうことにある。決してプロセスや協調性を無視しているわけではないが、結果を出さなければ会社は立ち行かないため、結局のところ「稼いでいるか」で評価せざるを得ない。このジレンマを抱える組織において、ブリリアント・ジャークの振る舞いはお墨付きを与えられてしまうのだ。

経営者や上司の立場になって考えてみてほしい。目の前には、毎期の予算を必達し、莫大な利益をもたらしてくれる部下がいる。多少、言葉遣いが荒かったり、協調性に欠けたりするかもしれない。しかし、彼を処罰したり異動させたりして、売上が落ちたら? 株主にどう説明するのか? 自分の評価はどうなるのか?

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

「甘美な果実」を手放せない恐怖

目の前の“甘美な果実”(短期的な成果)を手放すことは、恐怖である。多少性格に難があっても、背に腹は代えられない。そんな経営判断が、彼らの問題行動を黙認することにつながってしまう。リスクがあるとわかっていても目先の成果を手放せず、特定の個人に過度に依存している状態といえる。

現場レベルでも彼らを排除できない事情がある。それは「業務の属人化」だ。特定の業務知識、特殊なスキル、重要な顧客とのパイプ。これらを1人が独占している場合、その1人がいなくなると、現場の業務がストップしてしまう。あの人がいないと回らない──悔しいけれど、彼に頭を下げるしかない。このような事情が、ブリリアント・ジャークの支配をより強固なものにしていく。

組織の構造的病理と心理的メカニズム

これが、彼らを生み出し、許容し、時には依存してしまう、組織の構造的な病理である。なぜ私たちは、彼らの有害な振る舞いを「仕方がない」と受け入れてしまうのか。そこには、人が集団生活を営むうえで避けられない、いくつかの心理的なメカニズムが働いている。

沢渡氏と伊達氏の著書『ブリリアント・ジャーク 静かにチームを壊す人たち』(三笠書房)では、こうした問題の解決策も提示されている。企業が真の持続可能な成長を目指すなら、短期的成果に目をくらませず、ブリリアント・ジャークの問題行動に正面から向き合う必要があるだろう。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ