サントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長は、2025年2月14日の決算会見で、ウイスキーやビールなどの値上げについて、世界的な需要拡大と原材料費の高騰が背景にあると説明した。同社は2024年10月に一部のウイスキーやビールを値上げしており、今後も状況によっては追加値上げを検討する可能性を示唆した。
値上げの背景:世界的なウイスキーブームと円安
新浪社長は、「ウイスキーは世界的に需要が拡大しており、特に日本産ウイスキーの人気が高い。一方で、原料となるモルトや樽材、輸送コストが上昇している。加えて円安の影響も大きく、海外からの調達コストが増加している」と述べた。同社のウイスキーは海外でも高く評価されており、特に「山崎」や「白州」などのシングルモルトは高額で取引されている。このため、国内価格を国際水準に近づける必要があるという。
値上げの対象と規模
2024年10月の値上げでは、ウイスキー「山崎」「白州」「響」などが対象となり、出荷価格が平均で10~20%上昇した。また、ビールやRTD(缶チューハイ)も一部値上げされた。新浪社長は「今回の値上げで需要が大きく落ち込むとは考えていない。ブランド価値に見合った価格設定を目指す」と強調した。
今後の値上げ可能性
新浪社長は「原材料費や為替の動向次第だが、追加の値上げもあり得る」と述べ、今後のコスト動向を注視する方針を示した。同社は2025年12月期の連結営業利益で前期比4.8%増の2150億円を見込んでおり、値上げによる収益改善を期待している。
消費者の反応と市場への影響
値上げに対して、消費者からは「高級ウイスキーはもう手が出ない」といった声も聞かれるが、一方で「ブランド価値を考えると妥当」との意見もある。専門家は「日本産ウイスキーの国際的な評価が高まる中、値上げはやむを得ない。長期的にはブランド価値向上につながる」と分析する。
サントリーは、ウイスキー事業を成長戦略の柱に位置付けており、今回の値上げが需要に与える影響を慎重に見極めながら、価格戦略を進める考えだ。



