2025年上半期(1~6月)の中小企業の倒産件数が、前年同期比で15%増加し、過去最多を更新したことが、帝国データバンクの調査で明らかになった。物価高と人手不足が経営を直撃し、特に建設業と小売業で倒産が相次いでいる。
倒産件数の内訳と主な要因
帝国データバンクが7月15日に発表した「全国企業倒産集計」によると、2025年上半期の倒産件数は4,523件に達した。前年同期の3,932件から約15%増加し、2000年以降で最多となった。負債総額は約1.2兆円で、前年同期比で10%増加した。
業種別では、建設業が1,023件で最多、次いで小売業が876件、サービス業が654件となった。建設業では、資材価格の高騰と人手不足による工期遅延が経営を圧迫。小売業では、光熱費や物流費の上昇に加え、消費者の節約志向が追い打ちをかけた。
地域別の特徴と今後の見通し
地域別では、関東地方が1,234件で最多、近畿地方が876件、中部地方が567件と続いた。帝国データバンクの担当者は「都市部ほど人件費や家賃が高く、倒産リスクが高い。特に東京では、飲食店の倒産が目立つ」と指摘する。
また、倒産企業のうち、従業員数が10人未満の小規模事業者が全体の7割を占めた。同社は「小規模事業者は価格転嫁が難しく、コスト増を吸収しきれていない」と分析している。
政府の対応と企業の対策
政府は、中小企業向けの補助金や低利融資を拡充しているが、効果は限定的だ。経済産業省の担当者は「物価高と人手不足は構造的な問題であり、短期的な対策では不十分。生産性向上やDX推進が急務」と述べた。
一方、倒産を防ぐための取り組みとして、一部の中小企業は業務の自動化や外注化を進めている。しかし、導入コストが高く、資金繰りに余裕のない企業には難しいのが実情だ。
帝国データバンクは、下半期も倒産件数が高水準で推移すると予測している。特に、年末にかけて資金需要が高まるため、注意が必要だと警告している。



