包装資材商社のシモジマ(東京・台東区)が、自社のレトロなオリジナルデザイン「ストップペイル」を軸に、異次元のIP企業へと変貌を遂げている。創業106年の老舗は、ローソンやサンリオなどとのコラボレーション依頼が殺到する人気IPを抱え、2026年5月に発表した第2次中期経営計画「Dream Action 2030」で、IPを活用したライセンスビジネスの強化・拡大を明記した。同社は10年後の売上高1500億円、営業利益150億円以上を長期ビジョンに掲げ、IPコンテンツ事業を不可欠な柱と位置づけている。
「ストップペイル」とは何か?
「ストップペイル」は、シモジマがかつて包装紙や紙袋用にデザインした昭和レトロな柄で、ゆるいタッチの動物たちが描かれた可愛らしいデザインが特徴。もともとは「商品パッケージ・ブランドデザイン型IP」として生まれたが、「オリジナルキャラクター型IP」としての要素も併せ持つ。近年の昭和レトロブームに乗り、SNSなどで再注目され、若い世代を中心に人気が急上昇。同社にはコラボレーションのオファーが相次ぎ、ローソンやサンリオといった大手企業との商品展開が実現した。
包装資材商社からIP企業へ
シモジマは包装資材の総合商社として、これまで紙袋や包装紙、店舗用備品などを販売してきた。しかし、同社の経営コンサルタントでありムガマエ代表取締役社長の岩崎剛幸氏は、「シモジマのような包装資材商社も、包装資材を販売するだけでなく、貴重なIPコンテンツをどのように発展させ、企業全体の収益につなげていけるかを真剣に考えるべき時がきている」と指摘する。同社は既に「ストップペイル」以外にも「マイホーム」柄(動物たちのゆるい雰囲気が可愛い)やアメリカンレトロな「キスミー」柄など、多数のオリジナルデザインを保有しており、これらを復活・展開させてIPコンテンツ事業を主力事業に育てる方針だ。
英国リバティに学ぶデザインの可能性
シモジマが目標とするのは、花柄プリントで世界的に有名な英国リバティ社の「リバティプリント」のような存在だ。1875年創業のリバティは、社内デザインチームが手描きのデザインを制作し、年間150以上のデザインを生産。現在では5万点を超えるデザインアーカイブを基に、テキスタイルから雑貨、アパレルまで幅広い商品展開を行っている。岩崎氏は2017年にロンドンの本社を訪れ、「店内の44万種類(!!)のテキスタイルデザイン生地を見て、デザイン柄にはとんでもない可能性があるのだということを実感した」と振り返る。
IP事業拡大のカギ
シモジマのIPコンテンツは、日本のIP分類において「商品パッケージ・ブランドデザイン型IP」と「オリジナルキャラクター型IP」の両方の要素を持つ。今後はこのIPをどのように育て、グッズやアニメ、玩具、ゲームなどコンテンツの幅を広げ、国内だけでなく海外市場にも展開できるかが鍵となる。同社の第2次中期経営計画では、ライセンスビジネスの強化が明記されており、既存の包装資材事業とのシナジーも期待される。老舗企業の新たな挑戦として、シモジマのIP戦略は業界内外から注目を集めている。



