滋賀のスーパー平和堂が過去最高益、地元密着とHOP経済圏で逆境克服
滋賀のスーパー平和堂が過去最高益、地元密着とHOP経済圏

人口減少とインフレによる値上げラッシュで多くの小売業者が苦戦するなか、滋賀県を中心に展開するスーパーマーケットの平和堂が異彩を放っている。2026年2月期の連結営業収益は4560億円と過去最高を更新。既存店売上高も前年を上回り、食品部門は堅調に推移した。派手なM&Aや急激な事業転換ではなく、地域に根差した商売を積み重ねた成果だと、流通業に詳しい明治大学専門職大学院の白鳥和生教授は指摘する。

地道な戦略で最高益へ

平和堂は滋賀県彦根市に本社を置く。同社の第5次中期経営計画(2024~2026年度)では、高齢化と人口減少に対応するための具体的な方向性が示されている。白鳥教授は「地元密着の経営が結実している」と評価する。

同社は若い顧客と高齢者を同時に重視する戦略をとる。例えば、フレンドマート今堅田店では、食品フォーマットの改革やプライベートブランド「E-WA!」の展開により、顧客の「納得感」を重視した商品を提供している。

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30~40代マーケットの攻略

難しいとされる30~40代のマーケットに対しても、平和堂はアプリを活用した次世代市場の開拓を進めている。特に、銀行との連携による「HOP経済圏」の構築が注目される。スーパーが銀行と組むことで、ポイントや決済サービスを一体化し、顧客の囲い込みを図る。

白鳥教授は「平和堂はこれまで以上に滋賀県民との距離を縮めようとしている」と語る。また、同社がなぜ富山県に注目しているのかについても言及。富山は高齢化が進む一方で、地域密着型のビジネスモデルが成功している事例があり、平和堂の戦略に参考になるとしている。

「納得感」を売るPB商品「E-WA!」

平和堂のプライベートブランド「E-WA!」は、価格だけでなく品質や地域性を重視した商品開発が特徴。消費者が「納得して買える」商品を提供することで、リピーターを増やしている。

さらに、アプリを通じてクーポンやポイントを配信し、次世代の顧客層を開拓。これにより、若い世代の来店促進にも成功している。

スーパーが銀行と組む狙い

平和堂はメガバンクと連携し、金融サービスを組み合わせた経済圏を構築。具体的には、銀行口座と連動したポイントプログラムや、買い物での金融取引を一体化する取り組みを進めている。これにより、顧客の生活に深く入り込み、競合との差別化を図る。

白鳥教授は「このHOP経済圏は、単なる販促ではなく、地域の金融インフラとしての役割も担う可能性がある」と分析する。

なぜ富山に注目しているのか?

平和堂が富山県に注目する理由について、白鳥教授は「富山は高齢化が進んでいるが、地域密着型のビジネスモデルが成功している事例が多い。平和堂も同様のアプローチを強化したいのだろう」と述べる。富山の事例を参考に、滋賀県内でのさらなる深耕を目指す。

平和堂は「滋賀県民」ともっと近づくために、地元のイベントやコミュニティ活動にも積極的に参加。これにより、単なる買い物の場ではなく、地域の拠点としての存在感を高めている。

人口減少や物価上昇という逆風の中でも、平和堂の地元密着戦略は着実に成果を上げている。今後もHOP経済圏を軸に、さらなる成長が期待される。

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