シェルター市場勃興、サンヨーホームズが先見性 国策の死角に商機
シェルター市場勃興、サンヨーホームズが先見性

政府は今春、「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針」を閣議決定した。安全保障環境の変化を踏まえ、2030年までに全市区町村でシェルターの人口カバー率100%を目指す。また、既存の地下街・地下駐車場など民間施設の活用や、平時利用と有事対応を両立させる「デュアルユース(兼用)」の推進も柱に据えた。

サンヨーホームズが先駆けて参入

国が動き出したこの「危機管理投資」市場にいち早く賭けた企業がある。中堅住宅メーカーのサンヨーホームズだ。同社は避難スペースを設けるシェルターを将来の成長分野と位置づけ、商品開発を進めてきた。

サンヨーホームズの足元の業績は好調だ。26年3月期はマンション事業が牽引し、純利益は前期比約2.1倍の14億円で過去最高益となった。さらなる成長を期待するのがシェルター事業である。

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北朝鮮のミサイル発射が契機に

サンヨーホームズがシェルター事業に乗り出したきっかけは、北朝鮮のミサイル発射だった。常務執行役員の城戸雄弘氏は「今回の閣議決定は追い風になる。『時代の潮流が、我々へ向いてきた』と社内でも機運が高まっている」と語る。

同社は鉄板を隅々まで溶接したユニットを製作し、穴にクレーンで据えてシェルターを構築する工法を採用。地下街のない地方都市に商機を見出しており、国策の死角を突く戦略だ。

国策の死角と地方の需要

政府の基本方針では、地下街や地下駐車場など既存施設の活用が中心だが、地方にはこうした設備が乏しい。サンヨーホームズは、そうした地域にこそ専用シェルターの需要があると見込む。同社のシェルターは、住宅の地下室として設置可能で、平時は物置や趣味の部屋として利用できるデュアルユース対応も可能だ。

城戸氏は「地方では地下施設が少なく、シェルター不足が深刻。我々の製品はそうしたニーズに応える」と強調する。

市場の展望と課題

シェルター市場は今後拡大が見込まれるが、コスト面や認知度の向上が課題となる。サンヨーホームズは、住宅メーカーとしての強みを生かし、新築住宅への組み込みやリフォーム需要を取り込む方針だ。

同社は今後、シェルター事業を本格化させ、2030年までに売上高100億円を目指す。政府の目標達成と歩調を合わせ、地方を中心にシェルター普及を加速させる考えだ。

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