パナソニック、EV電池事業を完全子会社化へ 競争力強化
パナソニック、EV電池事業を完全子会社化へ

パナソニックホールディングスは、電気自動車(EV)向け角形電池事業を手掛ける子会社「パナソニックエナジー」を完全子会社化すると正式に発表した。現在の出資比率は約80%だが、残りの株式を取得し100%子会社とする。買収総額は約4000億円を見込む。

迅速な経営判断と投資加速が狙い

パナソニックはEV電池事業の競争力強化を目的に、子会社化による経営の一体性を高める。角形電池はEVの航続距離や安全性に直結する重要部品であり、トヨタ自動車などとの協業も進む。同社は「迅速な経営判断と成長投資の加速が可能になる」と説明している。

完全子会社化により、パナソニックエナジーはパナソニックグループの一員として、研究開発や設備投資をより機動的に進められる。特に北米市場向けの生産能力増強が急務で、米国カンザス州の新工場では2025年の量産開始を目指す。

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競合との差別化へ

EV電池市場では中国のCATLや韓国のLGエナジーソリューションなどがシェアを拡大している。パナソニックは高エネルギー密度と安全性に優れる角形電池で差別化を図る。また、トヨタとの合弁会社「プライムプラネットエナジー&ソリューションズ」でも生産を強化しており、完全子会社化でグループ全体の連携を深める。

パナソニックの楠見雄規社長は「EV市場の成長に対応するため、電池事業へのリソース集中が不可欠」と述べている。今回の完全子会社化は、2022年に発表したグループ再編の一環で、成長分野への選択と集中を加速する狙いがある。

財務面への影響

買収資金は手元資金と借り入れで賄う。パナソニックの2024年3月期の連結業績では、EV電池事業の営業利益は前年比で増加したものの、中国市場の減速や原材料高の影響を受けた。完全子会社化により、事業の収益性を直接グループ業績に反映できるようになり、投資家への説明責任も強化される。

アナリストからは「完全子会社化で経営の自由度が増すが、巨額の買収資金が必要で財務負担が懸念される」との声も出ている。パナソニックは今後、EV電池事業を中核に据え、2028年度までに同事業の売上高を2兆円に引き上げる目標を掲げている。

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