「それに、サービスが均一でないと、効率が悪いのです。従業員がどこまでサービスをしていいのか判断がつかずに余計なコストと時間を費やすことにもなりかねません。ですから、きっちりと線引きをする必要があります」
これは、伊達や社長に対する批判なのだろうかと、日村は考えた。
阿岐本が言った。「管理が必要ということですね?」
「そうです。顧客管理だけでなく、いろいろな面で管理が必要になってきます」
「いやあ、またまた勉強になりましたなあ」阿岐本が頭をつるりと撫でた。「つまりは、無駄をなくすということですか」
「はい。無駄をなくして、効率をよくする。それが不可欠です」
「一つうかがっていいですか?素人なんで的外れな質問かもしれませんが……」
「どんなことでも、どうぞ」
「このお店は戦後から長年存続してこられた。その間に蓄積した経営のやり方というもんがあるんじゃねえですか?」
「もちろん、いろいろなノウハウはあります。しかし、経営には時代に即したやり方が必要です」
「無駄をなくして、効率を上げ、管理することが、新しいやり方だということですね?」
「私はそう考えています」



