配線用遮断器(ブレーカー)の国内生産で首位を誇る三菱電機福山製作所(広島県福山市緑町)は、設計・開発を担う技術者らが一堂に会する「開発棟」を新設した。データセンターの需要拡大などで製品開発のスピードアップが求められる中、専門分野の異なる技術者らが同じ空間で働くことで議論と連携を促進し、量産開始までの期間短縮を目指す。
開発棟の概要と狙い
開発棟は鉄骨5階建てで、延べ床面積は約5230平方メートル。遮断器やスマートメーターの設計・開発を担当する技術者に加え、素材評価部門や生産部門の技術者もこの棟で勤務する。各階にはソファなどを配置したコミュニケーションスペースを設け、雑談から生まれるアイデアを具現化しやすくしている。1階には取引先と簡易な製品試験が可能なラボラトリーも整備した。7月中に約300人体制で本格稼働する予定だ。
需要拡大と課題
同製作所には約1200人が勤務し、工場やオフィス、産業機械向け遮断器のほか、通信機能を備えた電力計「スマートメーター」など省エネ支援機器を製造している。近年、データセンターや半導体製造装置に組み込む遮断器の需要が増加しており、製品を迅速に市場投入する体制づくりが課題となっていた。
世界情勢への対応
開発部門の責任者は「世界情勢の不透明感が増し、試作用の素材が入らないといったトラブルも起きつつある。連携を強化することで、タイムリーな製品開発はもちろん、不測の事態にも迅速に対応していきたい」と述べた。新たな開発棟では、技術者間の連携強化により、こうした課題への対応力を高める狙いがある。



