成長中のベビーブランド「ケラッタ」は、低評価レビューを全社員に通知する独自の改善サイクルを導入し、三大ECモールでの年間アワード受賞やヒット商品の誕生につなげている。長野県発の同ブランドは、「お客様に寄り添う」という理念を、日々の小さなアクションで具現化している。
全社員でユーザーの声を確認する「見回り会議」
ケラッタでは毎朝、「見回り会議」を実施。レビュー、お問い合わせ、SNS、自社ページ、さらには他社のページまで、全社員が目を通す。目的は、お客様が何を解決したくて購入したのか、どこに不便を感じたのかを徹底的に掘り下げることだ。不満が説明不足によるものか、仕様変更が必要なのかを判断し、意味のある改善につなげる。
特に低評価レビューがつくと、全社員が利用するSlackチャンネルに自動通知が飛ぶ仕組みを導入。工場担当、EC担当、経営陣まですべてのメンバーが同じ一次情報を共有することで、改善のスピードを大幅に高めている。
お客様の声で進化した「ベビーカーファンシート」
この取り組みの成果として、暑さ対策アイテム「ベビーカーファンシート」が急成長。2026年5月時点で、アイテム売上は前年同期比300%以上を記録した。猛暑の長期化や省エネ意識の高まりを背景に、シートから冷風を吹き出すファンシートの需要が拡大している。特にベビーカーで移動中の赤ちゃんは地面に近く、大人以上に熱の影響を受けやすいため、対策は重要だ。
しかし、この製品も最初から完成していたわけではない。2025年モデルではファンを2個搭載していたが、「子どもの足が当たり気になる」という顧客の声を受け、改良を重ねた。ケラッタカンパニーの下村祐貴子CEOは、「お客様の声によって製品は進化する」と語る。
雪国の日常にあった技術とブランドの基盤
ケラッタのルーツは長野県の雪国文化にある。寒冷地での子育て経験から生まれた保温・冷却技術が、現在の製品開発に活かされている。ブランドは「あなたと家族に寄り添うパートナー」を掲げ、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの三大ECモールで年間アワードを受賞するまでに成長した。
下村CEOは、「お客様の日常の不便や小さなストレスに向き合い、アクションを毎日積み重ねることが、子育て世代に選ばれ続ける鍵だ」と強調する。低評価レビューの全社通知や見回り会議は、その姿勢を組織全体で徹底するための仕組みである。



