川崎重工CFOが描く「2030年度 事業利益率10%」へのシナリオ 防衛が成長を牽引
川崎重工CFOが描く2030年度事業利益率10%へのシナリオ

川崎重工は2027年度に事業利益率8%、2030年度に10%を達成する目標を掲げている。防衛事業の受注拡大が成長を牽引する一方、パワースポーツ&エンジン(PS&E)事業では関税や市場競争の影響が課題となっている。同社の山本克也副社長CFO(最高財務責任者)に、各事業の戦略と利益率改善への道筋を聞いた。

防衛受注はどこまで伸びるか

川崎重工の防衛関連製品の受注は期ごとに変動があるものの、中長期的には明るい見通しが立っている。防衛事業は2027年度までに事業利益率を現状の約5%から8%以上に引き上げる計画だ。山本CFOは「防衛分野では政府の防衛力強化方針を追い風に、新規案件の獲得を積極的に進めている」と述べる。具体的には、次期戦闘機や潜水艦などの大型プロジェクトが控えており、受注額の増加が見込まれる。

2025年度の防衛事業の売上高は約4000億円で、全体の約20%を占める。2027年度には5000億円超を目指し、利益率も改善する見込みだ。山本CFOは「防衛事業は収益の安定性が高く、成長ドライバーとして期待している」と強調する。

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PS&Eの関税影響と反転攻勢

一方、PS&E事業は逆風に直面している。特に北米市場では関税の影響が大きく、2025年度の同事業の営業利益は前年比で減少した。川崎重工はオフロードバイクやエンジン製品を主力とするが、競合他社との価格競争も激化している。

山本CFOは「PS&E事業は2027年度までに事業利益率を5%程度まで回復させる計画だ。コスト削減と高付加価値製品の投入で反転攻勢を狙う」と語る。具体的には、新興国市場への販路拡大や、電動化に対応した新製品の開発を進める。また、生産拠点の最適化により、関税リスクを軽減する方針だ。

2025年度のPS&E事業の売上高は約3000億円で、全体の約15%を占める。2027年度には3500億円を目標とし、収益性の改善を図る。

利益率10%への道筋

川崎重工の全社的な事業利益率は2025年度時点で約4%にとどまる。2027年度に8%、2030年度に10%を達成するためには、全事業での収益改善が不可欠だ。山本CFOは「防衛事業の成長に加え、鉄道車両や航空機エンジンなど既存事業の構造改革も進める」と説明する。

鉄道車両事業では、海外案件の採算性改善に注力する。航空機エンジン事業では、民間機需要の回復に伴い、部品供給の拡大を目指す。また、水素関連などの新規事業も利益貢献が期待される。

山本CFOは「目標達成には、各事業が自律的に利益を生み出す体質への転換が必要だ。コスト管理の徹底と成長投資のバランスを取る」と述べ、経営ビジョンの実現に自信を示した。

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