関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港を運営する関西エアポートの三上康章社長は、関西空港で2030年代前半に年間発着回数30万回の達成を目指し、中国以外のアジアや欧米への直行便を強化する方針を示した。
中国便の減少とバランス重視
関空では昨年度、国際線の旅客数が過去最高の2709万人だった。一方、昨夏に国際線の4割を占めた中国便は、中国政府による自国民への渡航自粛要請で、以降は前年同期比7割減となっている。中国内の就航先も昨夏の33地点から12地点に減った。
三上氏は「結果として中国に偏りすぎたと反省している。どこかの国に偏るのではなく、バランスよく便数を増やしたい」と述べた。ただ、現在も中国便の搭乗率は高く、「潜在的な需要はある。時期が来て復便すれば、受け入れられる体制は整えている」と強調した。
アジア・欧米への直行便強化
中国以外のアジア方面には成長余力があるとみて、インドやインドネシアを中心に直行便を強化する。堅調な訪日客の需要を踏まえ、欧米向けの直行便の誘致にも注力する。
関空では国際貨物輸送も強化する。2029年に向け貨物施設の拡張や荷物受取書をデジタル化するシステムの導入などに着手した。大阪税関と連携し、荷物検査の迅速化も進める。
貨物需要の拡大と現状
現在、関空では関西の貨物需要の6割しか取り込めていない。三上氏は「残り4割は伸びしろだ」と語り、西日本を代表する国際物流拠点として成長を目指す考えを示した。
関西空港の2025年度の発着回数は20万6731回(前年度比4%増)で、開港からの30年間で約2倍となった。コロナ禍で大きく落ち込んだが、円安を背景とした訪日客の国際線需要を取り込んできた。
2026年度に入ってからは中国便の需要が日中関係に左右され、不透明な状況が続く。2026年夏ダイヤ(3月29日~10月24日)では、1週間あたりの国際線の平均旅客便数は前年同期比17%減の1202.8便だ。
一方、韓国路線の深夜便やマレーシア便が新たに就航し、アジアは好調な状況が続く。便数の構成比では、韓国39%、東南アジア17%、中国14%となっている。一方、欧州は2%、北米は3%にとどまっている。



