日本企業の中国進出に変化の兆しが見られる。製造業の撤退が報じられる一方、サービス系業種の進出が増加している。東洋経済データ事業局がまとめた「海外進出企業総覧」をもとに、地域別・業種別の現地法人数を分析すると、中国における日系企業の事業展開が立体的に浮かび上がる。
地域別ランキング:沿海部が依然中心
中国における日系企業の立地は、沿海部を中心とする構造が続いている。上海市が最も多く、次いで江蘇省、広東省、遼寧省、浙江省と続く。これらの地域では製造業の集積が厚く、特に機械、化学、電気機器、輸送機器、繊維・衣服関連の現地法人が多い。
業種別の特徴:上海市は卸売業が突出
上海市では卸売業の現地法人が突出して多く、従来の製造拠点としての役割に加え、販売・流通拠点としての機能も高まっている。一方、浙江省や江蘇省では製造業の比重が高く、上海市とは異なる産業構造がみられる。
北京市:管理・サービス機能の集積
北京市では現地法人数が最も多い業種が製造業ではなく、統括会社である。中国事業全体を統括する機能を首都・北京に置く企業が多いことがうかがえる。統括会社に続くのはその他サービスと情報・システム・ソフトで、それぞれ30社前後となっている。
山東省・天津市・湖北省の特徴
山東省では機械関連の現地法人が31社と最多だが、食料品、輸送機器、繊維・衣服関連もそれに続いており、産業構成は比較的分散している。天津市では輸送機器の現地法人が51社と最多で、2位の化学(22社)に倍以上の差をつけている。この傾向は湖北省にも共通しており、両地域とも輸送機器関連の現地法人が他業種を大きく引き離している。
今後の展望
現地法人数の増減だけでなく、地域別・業種別の特徴に着目することで、中国における日系企業の事業展開を立体的に捉えることができそうだ。こうした変化は今後、他の地域にも広がる可能性がある。



