日本企業が半導体不足で生産調整、自動車や家電に影響拡大
半導体不足で日本企業が生産調整、自動車や家電に影響

世界的な半導体不足の影響が日本企業の生産活動に深刻な影を落としている。自動車メーカーを中心に、家電メーカーや産業機器メーカーなど幅広い業種で生産調整が相次いでいる。この状況は、2021年初頭から顕在化し、その後も長期化の様相を呈している。

自動車業界での減産拡大

トヨタ自動車は2021年9月、国内外の工場で最大40%の減産を実施すると発表した。同社は「半導体部品の調達が困難になっている」と説明し、9月の生産台数は計画比で約36万台減の54万台となる見通しを示した。日産自動車やホンダも同様に減産を余儀なくされており、8月には日産が米国工場で一部車種の生産を停止した。ホンダも国内工場で最大で月産約1万台の減産を計画している。

家電メーカーへの波及

自動車業界にとどまらず、家電メーカーも半導体不足の影響を受けている。パナソニックは2021年8月、一部の電子レンジやエアコンの生産を遅らせると発表した。同社の担当者は「半導体の供給が需要に追いつかず、生産計画の見直しを余儀なくされている」と述べている。ソニーもゲーム機「プレイステーション5」の生産に必要な半導体の調達が難しく、2021年度の出荷目標を下方修正した。

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産業機器や通信機器も影響

半導体不足は産業機器や通信機器の分野にも広がっている。ファナックは工作機械用の制御装置の生産に必要な半導体が不足し、一部製品の納期が通常の2倍に延びている。キーエンスもセンサーや制御機器の生産に影響が出ており、受注から納品までに半年以上かかるケースもある。通信機器メーカーのNECは、基地局向け半導体の調達が難しく、一部の通信事業者への納入が遅れている。

半導体不足の背景と今後の見通し

半導体不足の背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うデジタル需要の急増がある。リモートワークやオンライン教育の普及により、パソコンやタブレット、サーバー向け半導体の需要が急拡大した。また、自動車の電動化や自動運転技術の進展により、車載半導体の需要も増加している。一方、半導体メーカーの生産能力は限られており、需給ギャップが拡大している。経済産業省は2021年9月、国内半導体メーカーへの支援策を強化する方針を示したが、供給が正常化するまでには時間がかかるとみられる。

大手半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)は、2021年から2022年にかけて1000億ドル規模の設備投資を計画しているが、新工場の稼働には数年を要する。このため、半導体不足は少なくとも2022年後半まで続くとの見方が強い。日本企業は在庫の積み増しや代替部品の採用などで対応を急いでいるが、生産調整の長期化は避けられない状況だ。

企業業績への影響

半導体不足による生産調整は、企業業績にも影響を及ぼしている。トヨタ自動車は2021年8月、2022年3月期の連結営業利益予想を従来の2兆5000億円から2兆3000億円に下方修正した。日産自動車も2021年8月、2021年度の販売台数計画を440万台から425万台に引き下げた。家電メーカーも業績への影響を懸念しており、パナソニックは2021年度の連結営業利益予想を据え置いたものの、半導体不足が長期化した場合には修正を検討するとしている。

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