日本郵政グループは2024年5月、2024年度を初年度とする新たな中期経営計画を公表した。郵便事業の構造改革とAI・データ活用による業務効率化を柱に、2028年度までにグループ連結営業利益1兆円超を達成する目標を掲げている。
郵便事業の抜本改革
日本郵便は、郵便物の減少が続く中で、配達網の再編や郵便局の機能見直しを進める。具体的には、2027年度までに郵便物の配達頻度を週6日から週5日へ削減し、郵便局の営業時間短縮や無人化を検討する。これにより、2028年度に郵便事業で500億円以上のコスト削減を見込む。
AI・データ活用の推進
日本郵政は、AIやデータ分析を活用した業務効率化を加速する。例えば、郵便物の仕分け作業にAIを導入し、誤配達の削減や作業時間の短縮を図る。また、顧客データを活用したマーケティング強化により、ゆうちょ銀行やかんぽ生命との連携を深め、クロスセルを促進する。
ゆうちょ銀行とかんぽ生命の役割
ゆうちょ銀行は、資産運用の多様化を進め、2028年度までに運用資産残高を現在の約200兆円から220兆円以上に増やす計画だ。かんぽ生命は、保険商品の見直しとデジタル販売チャネルの強化で、新規契約数を現在の1.5倍に増やす目標を掲げる。
グループ全体の収益目標
新中計では、グループ連結営業利益を2028年度に1兆円超とし、現在の約8000億円から25%以上の増加を目指す。また、自己資本利益率(ROE)を8%以上に引き上げる方針だ。日本郵政の増田寛也社長は「郵便事業の改革とデジタル化の推進で、持続可能な成長を実現する」と述べている。
今後の課題
郵便事業の改革には、労働組合との調整や地域の郵便サービス低下への懸念が伴う。また、AI導入には多額の投資が必要で、効果が出るまでに時間がかかる可能性もある。日本郵政は、これらの課題に対処しながら、計画の着実な実行を目指す。



