福井市に本社を置くユニフォームネクストは、わずか社員4人の零細企業から売上高98億円の上場企業へと成長を遂げた。同社2代目社長の横井康孝氏は、その成功要因を「飲食店ユニフォームという王者不在のニッチ市場で圧倒的なシェア1位を目指したこと」だと語る。
父子2人、社員2人の小さな会社からの出発
横井氏が大学卒業後に勤めていた総合スーパーを辞め、父親が創業したユニフォームネクストに入社したのは25歳のとき。当時の体制は社長である父と社員2名、そこに横井氏が加わったわずか4名だった。地方の小さな会社としてはごくありふれた、なんの後ろ盾もないスタートだった。
当社は業務用ユニフォームを販売するBtoB企業で、メーカーが製造した商品を仕入れ、地域の企業や店舗に販売するビジネスモデル。自社で独自の製品を持たず、基本的にはライバル他社とまったく同じ商品を扱う、差別化が非常に難しい業態だった。
早朝から飛び込み営業で走り回る日々
横井氏は入社後すぐ、先輩の背中を1週間だけ見た後、一人で新規開拓の営業に飛び込んだ。「この会社をもっと成長させたい」という思いだけで、ただひたすらに走り回った。早朝から車を走らせて飛び込み営業をし、夜遅くまで見積もりや発注の手配、現場の細かい調整から事務作業まで、できることは文字通りなんでもやった。
採用もすべて横井氏が任されるようになり、熱意だけで人を増やし、30代半ばで社長になる頃には組織は15名ほどになっていた。
「経営安定」のための新事業が裏目に
しかし、売上は伸びても利益は伴わなかった。横井氏は「経営を安定させるため」と、次々に新事業に参入。しかしそれは「成長」ではなく「膨張」に過ぎなかった。売上高が2億円の時、借入総額も2億円という状態に陥り、経営は危機的状況だった。
「努力しても報われない状態」は決して他人事ではない。ユニフォームネクストもかつてはこの罠にどっぷり浸かり、もがき苦しんでいたと横井氏は振り返る。
「儲ける会社」に変貌した必勝戦略
転機となったのは、戦略の根本的な見直しだった。横井氏は「強者と弱者では武器も設計図も違う」と気づき、自社の強みを活かせるニッチ市場に集中することを決断。飲食店ユニフォームという、大手が参入していない市場でシェア1位を目指す戦略を採用した。
線引きは「シェア1位を持っているかどうか」。この基準で事業を整理し、リソースを集中投下した結果、同社は着実に成長。現在では売上高98億円、上場企業へと変貌を遂げた。
横井氏は「小さな会社は戦略が9割」と断言。努力しても報われない会社の背景には、必ずと言っていいほど戦略の欠如があると指摘している。



