病院の人材紹介手数料は年1000億円規模、医師・看護師の採用と定着に課題
病院の人材紹介手数料は年1000億円規模、採用と定着に課題

人手不足と物価高に直面する病院経営。人材紹介会社に支払う手数料は年間1000億円規模に上り、採用後の早期離職も深刻な問題となっている。日本医師会は2026年3月、医療分野の人材確保と有料職業紹介事業の適正化に向けた提言を発表した。

看護師1人の採用に100万円近くが必要

病院が医師や看護職、介護職を採用する際に利用する人材紹介サービス。その手数料は年々高騰し、看護師1人あたり平均で約80万~100万円、医師に至っては数百万円に達することもある。紹介事業者への手数料総額は業界全体で1000億円を超えると推定される。

高額な手数料にもかかわらず、採用した人材が短期間で離職するケースが後を絶たない。病院経営を一層圧迫する悪循環が続いている。

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神戸海星病院:外国人看護助手の活用で離職率半減

兵庫県神戸市の神戸海星病院(一般病棟116床、地域包括ケア病棟60床)は、看護師の離職率を2022年の20%以上から約10%に低下させた。鍵となったのは、看護助手として外国人を積極的に採用したことだ。

現在22名の外国人が特定技能補助者として勤務。急性期病棟でも活躍し、看護師とのタスクシフトを推進。看護師は本来の業務に集中できるようになり、残業時間の削減や有給取得率の向上につながった。篠原里美副院長兼看護部長は「一つの施策ではなく、あの手この手でやらないとダメ」と語る。今後は電子カルテ導入や看護師へのタブレット配布などDXにも取り組む方針だ。

明和病院:実習復活と教育体制強化で離職率8%台

兵庫県西宮市の明和病院(病床数257)も看護師の離職率を低下させた。コロナ禍で中断していた新人時の実習を再開し、全部署を経験した後に希望部署へ配属。教育体制や管理者教育も充実させた結果、離職率は8%台まで改善した。

末武千香副院長/看護部長は「待遇の改善だけではなく、看護師としての働きがいを実感できる職場が大事」と話す。

日本医師会が提言、適正化へ動き

日本医師会は「医療分野における人材確保と有料職業紹介事業等の適正化に向けた提言」を公表。紹介手数料の高騰や採用後の早期離職を問題視し、業界の自主規制やガイドライン策定を求めた。病院側も、紹介会社に頼らない採用方法や職場環境の改善に取り組む必要がある。

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