ホルムズ海峡混乱、日本船35隻・800人取り残し 海運各社トップが現状語る
ホルムズ海峡混乱、日本船35隻・800人取り残し

覚書署名後も続く混乱、日本関係船35隻・乗組員約800人が取り残される

アメリカとイランは6月中旬、戦闘終結に向けた覚書にそれぞれ署名した。現在は核問題などの協議を踏まえ、最終的な合意と和平を目指すための交渉期間60日の最中にある。しかし、両国は「停戦違反」を相互に主張し、攻撃の応酬を繰り返している。開放が期待されたホルムズ海峡に関しても、脱出しようとした船舶が爆撃を受けるなど、混迷はむしろ深まっている。

6月26日時点で、ペルシャ湾内には日本関係船35隻、乗組員約800人が取り残されている。海運各社のトップはこの状況をどう受け止めているのか。日本郵船と川崎汽船、日本船主協会の代表者が公の場で語った内容をまとめた。

日本郵船・曽我社長「稼働率はそれほど下がっていない」

海運国内最大手の日本郵船は6月17日、都内で定時株主総会を開催した。登壇した曽我貴也社長は、株主から事前に集めた質問に答える形で、ホルムズ海峡の封鎖による業績への影響見通しについて「(船の)稼働率はそれほど下がっていない。業績への影響は限定的な範囲にとどまる」と強調した。

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曽我社長は、自動車運搬船は代替ルートとしてアフリカの喜望峰経由でサウジアラビアやオマーンの港へとまわり、そこで下ろした貨物を陸路で中東へと運んでいると説明。コンテナ船はアラブ首長国連邦(UAE)の港を代替利用しており、エネルギー船も原油の積み出し先の多様化に対応できているという。

川崎汽船・明珍社長「安全と言える状況にはまったく至っていない」

一方、川崎汽船の明珍幸一社長は6月13日の記者会見で、より慎重な見方を示した。「封鎖解除でも完全な正常化には一定の時間がかかる」と述べ、安全と言える状況にはまったく至っていないと指摘。同社も代替ルートの確保に努めているが、コスト増やリードタイムの長期化は避けられないとの認識を示した。

日本船主協会「ペルシャ湾の重要性は変わらない」

日本船主協会の会長を務める日本郵船の曽我社長は、別の機会に「ペルシャ湾が重要なのは変わらない」と強調。中東地域は世界の原油供給の要衝であり、長期的な安定航行の確保が必要だと訴えた。同協会は政府に対し、外交ルートを通じた早期の海峡安全確保と、乗組員の安全確保に向けた支援を要請している。

海運各社は代替ルートの活用や積み出し先の多様化でしのいでいるが、紛争長期化による影響は避けられない。業界全体で見れば、燃油費の上昇や運航スケジュールの乱れなど、収益圧迫要因は少なくない。今後の交渉次第では、さらなる混乱も予想される。

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