札沼線は絶対維持する、北海道当別町の戦略 医療大移転後もロイズタウンで稼ぐ
札沼線は絶対維持する、北海道当別町の戦略

北海道医療大学が2028年4月に北広島市へ移転することで、沿線の鉄道利用者減少が懸念される札沼線(学園都市線)について、当別町は「鉄道は絶対維持する」と明言した。町はロイズタウン駅を中心とした観光振興策で、移転に伴う年間20億円の経済損失を補う方針だ。

観光列車の成功が転機に

2022年3月のロイズタウン駅開業に合わせて始まった観光列車「ラベンダー編成」の運行は、町に新たな活路をもたらした。当別町経済部産業振興課の佐藤太一郎課長は「初回は町で300万円ほどの予算を組み、車両運行に150万円、PRのオンラインセミナーなどに150万円を費やした」と振り返る。コロナ禍で定員200人のところを100人に絞ったが、満席となった。

「行政が関わる以上、町に経済効果をもたらす必要がある。初回は町を周遊するバスツアーと併せて実施した」と佐藤課長。観光列車の反響は上々で、ロイズコンフェクトも鉄道活用の経済効果を理解。2回目以降は同社が予算を負担し、工場見学の特典も年々充実している。佐藤課長は「北海道観光資源創造センターの協力も大きい」と話す。

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ロイズタウン駅を核にした集客

ロイズタウン駅はチョコレートメーカー・ロイズコンフェクトの工場直売所に隣接し、観光客の玄関口として機能。駅前の当別赤れんが6号ふれあい倉庫では鉄道模型運転会などのイベントが開催され、多くの来場者を集めている。佐藤課長は「鉄道に関するイベントをやれば、多くの客が集まることがわかった」と手応えを語る。

大学移転後も鉄道維持へ

2028年の北海道医療大学移転により、当別―北海道医療大学間の利用者減少は避けられない。しかし、当別町は「鉄道を維持する方向で考えている」と佐藤課長は断言する。「医療大学駅周辺に企業を誘致し、鉄道需要を拡大する取り組みを検討している。移転の年には医療大学駅で鉄道イベントも計画している」と述べた。

町は大学移転による年間経済損失を20億円と試算。佐藤課長は「その分を観光振興策で取り戻す。大学がなくなっても当別町はめげないという姿を全国に発信したい」と意気込む。鉄道存続には地域関係者の主体的な取り組みが鍵であり、当別町の挑戦は北海道の鉄路縮小に歯止めをかける試金石となる。

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