伯方の塩、CMサウンドロゴの謎40年ぶり解明 シェア拡大続く背景
伯方の塩、CMサウンドロゴの謎40年ぶり解明 シェア拡大

「は・か・た・の・しお」――男性が力強くシャウトするサウンドロゴで知られる「伯方の塩」。このCMソングの作曲者と初代声優が、約40年もの間、社内でも「謎」とされてきたが、SNSをきっかけに2023年、ついに特定された。背景には、塩の自由化以降もシェアを伸ばし続ける伯方塩業のブランド戦略がある。

SNSが呼び寄せた「謎解き」のきっかけ

今から約40年前、伯方塩業がテレビCMを依頼した広告代理店がいくつか出した案の一つが、現在のサウンドロゴだった。しかし、視聴者から作曲者や声優の問い合わせが増えた頃には、その代理店は廃業。伯方塩業にも資料は残っておらず、特定は困難を極めた。

転機は2019年5月。伯方塩業がWeb限定で「二代目声優オーディション」を開催した際、SNSで「初代が誰なのかわかっていません」とコメントしたところ、ネット上で大きな話題となった。これを見た作編曲家の浦田博信氏がX(旧Twitter)で「作曲したのは間違いなく私です。歌ったのは、塩谷信廣さんという音楽家だ」と投稿。メディアで報じられ、伯方塩業もこの情報をキャッチした。

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「我々もそのニュースをキャッチしたんです」と語るのは、伯方塩業の石丸一三社長。しかし、当時は確証がなく、本格的な調査は創業50周年を迎えた2023年まで待つことになる。「謎を謎のまま置いておかず、解明できるのだったらどんな細い糸でもたどろう」と石丸社長が決断し、調査を開始。その結果、作曲は浦田博信氏、初代声優は音楽家の塩谷信廣氏であると判明した。浦田氏は「ノーベルVC3000のど飴」「メガネの愛眼」などのCMソングも手がけている。

40年の歴史と現在のサウンドロゴ

2023年11月4日、創業50周年イベント「伯方の塩まつり」でサウンドロゴの作曲者と初代声優が発表され、浦田氏と塩谷氏の代理人である榎裕一氏に感謝状が贈られた。なお、40年間ずっと塩谷氏の歌声が使われていたわけではなく、1997年から2005年までは紅白歌手・新浜レオン氏の父親で演歌歌手の髙城靖雄氏が歌唱。現在は再び塩谷氏の初代サウンドが使用されている。

塩の自由化と市場競争

伯方の塩が市場で存在感を増した背景には、1997年の塩の自由化がある。それまで専売制だった塩市場に競争が導入され、各社がシェアを争う中で、伯方塩業は品質とブランド力で差別化を図った。同社のシェアは自由化以降も伸び続け、現在では家庭用塩でトップクラスを誇る。

「塩を選ぶことは、食を選ぶこと」という同社の理念のもと、瀬戸内海の海水を原料にした天日塩田塩にこだわり、添加物を極力抑えた製品づくりを徹底。CMでは「耳障り」と酷評された時代もあったが、サウンドロゴの認知度は高く、ブランドの象徴として定着している。

炎上を乗り越えたブランド力

伯方の塩は過去に「トリビアの泉」で取り上げられた際や、虚偽表示疑惑で一時的に炎上したこともある。しかし、同社は迅速な対応と透明性のある情報開示で信頼を回復。石丸社長は「お客様の声に真摯に向き合うことが大切」と語る。こうした姿勢が、競合がひしめく塩市場でのシェア拡大につながっている。

現在も伯方の塩は、サウンドロゴの「謎」が解けたことでさらなる話題を集め、ブランド価値を高めている。同社は今後も品質向上とブランド戦略を両立させ、市場でのリーダーシップを維持する方針だ。

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