フジクラ株価急落から一転急騰、業績上方修正で「逆ショック」
フジクラ株価急落から一転急騰、業績上方修正で逆ショック

電線大手のフジクラが、5月14日に発表した今期業績見通しから約1カ月後の6月18日、大幅な業績上方修正を発表した。これを受け株価は急騰し、2営業日連続でストップ高となる「逆ショック」状態に。市場関係者も驚きを隠せない。

業績予想上方修正の中身

フジクラは2026年3月期の連結業績予想を修正。売上高は従来の1兆円から1兆1000億円へ、営業利益は1200億円から1500億円へそれぞれ引き上げた。純利益も800億円から1000億円に上方修正。1株当たり配当金も増額する方針だ。

修正の主な要因は、AIデータセンター向け光ファイバーケーブルの需要拡大。世界的なAIブームに伴い、データセンターの建設ラッシュが続いており、フジクラの主力製品である高速通信ケーブルの受注が急増している。

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上方修正に至った3つの理由

東洋経済の劉彦甫記者は、業績修正の背景として3つの理由を挙げる。第一に、AIデータセンター向け需要が想定以上に伸びていること。第二に、原材料価格の高止まりを価格転嫁できていること。第三に、円安の進行が輸出企業であるフジクラの収益を押し上げていることだ。

「5月時点の見通しは保守的だった可能性がある。実際、AI関連の受注はその後も加速しており、6月に入ってからも大型案件が相次いでいる」と劉記者は解説する。

ポジティブサプライズか、それとも保守的見通しか

市場では、今回の上方修正を「ポジティブサプライズ」と受け止める声が多い。しかし、一部のアナリストは「フジクラは従来から保守的な業績予想を出す傾向があり、今回もその例に漏れない」と指摘。実際、5月の決算発表時点で既にAI需要の加速を織り込めていなかった可能性がある。

フジクラの株価は5月14日の決算発表後、急落。市場予想を下回る業績見通しに失望売りが広がり、一時前日比15%安となる場面もあった。しかし、今回の上方修正で株価は急反発。6月18日、19日の2日間で約30%上昇し、年初来高値を更新した。

AIブームの追い風が続く

フジクラはAIデータセンター向け光ファイバーケーブルで世界トップクラスのシェアを持つ。生成AIの普及に伴い、データセンターの通信インフラ需要は今後も拡大が見込まれる。同社は2026年3月期に過去最高の営業利益を目指すとしている。

劉記者は「フジクラの成長はAI需要の本格化を映している。今後もデータセンター向け投資は続くため、業績の上振れ余地は大きい」と分析する。

一方、リスク要因としては、地政学的リスクによるサプライチェーンの混乱や、競合他社の台頭、為替変動などが挙げられる。フジクラは今後、需要の変動に柔軟に対応できる体制を整えることが課題となる。

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