EVシフトと半導体不足、自動車業界のサプライチェーン再編が加速
EVシフトと半導体不足がサプライチェーン再編を加速

電気自動車(EV)への移行と半導体不足を背景に、自動車業界のサプライチェーン再編が加速している。従来の大量生産・大量輸送モデルから、地域分散型の調達網への転換が迫られている。

半導体不足がもたらした教訓

2020年以降の半導体不足は、自動車メーカーに部品調達の脆弱性を認識させた。トヨタ自動車は2021年、半導体在庫を通常の3ヶ月分から5ヶ月分に増やし、調達先の多様化を進めた。また、日産自動車はルノーとのアライアンスを活用し、半導体の共同調達を強化している。

半導体不足は2023年に入り緩和傾向にあるが、地政学的リスクを考慮し、自動車メーカーは調達先の地域分散を急いでいる。特に台湾や中国への依存度低下が課題となっている。

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EVシフトが加速するサプライチェーン変革

EVシフトは、従来のエンジン車とは異なる部品構成を必要とする。バッテリーやモーター、インバーターなど、新しいサプライチェーンの構築が求められている。例えば、トヨタは2022年、米国でEV用バッテリー工場を建設すると発表し、現地調達率を高める方針を示した。

一方、部品メーカーも対応を迫られている。デンソーは半導体事業を強化し、2025年までに車載半導体の売上高を現在の2倍にする目標を掲げる。また、アイシンはEV用トランスミッションの生産を拡大する。

日本の部品メーカーへの影響

日本の部品メーカーは、従来のエンジン関連部品で強みを持ってきたが、EVシフトにより需要が減少する可能性がある。経済産業省の試算では、2030年までにエンジン関連部品の市場規模が現在の3割縮小する見通しだ。これに対し、多くの部品メーカーがEV関連部品へのシフトを進めている。

例えば、日本精工はEV用モーターの軸受の生産を増強し、2025年までにEV向け売上高を全体の2割に引き上げる計画だ。また、住友電気工業はEV用ワイヤーハーネスの軽量化技術を開発し、受注拡大を狙う。

政府の支援策と今後の展望

日本政府は、サプライチェーン強靭化に向けた補助金制度を設け、半導体や蓄電池の国内生産を支援している。2022年度補正予算では、半導体工場の建設費の3分の1を補助する制度が創設された。また、経済安全保障推進法に基づき、重要物資の安定供給確保を目指す。

しかし、サプライチェーン再編には多額の投資が必要であり、中小部品メーカーにとっては負担が大きい。業界団体は、政府に対しさらなる支援を求めている。自動車業界のサプライチェーン再編は、今後10年にわたり続くとみられる。

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