世界的な電気自動車(EV)シフトの加速により、自動車部品業界で再編の動きが活発化している。2024年、国内サプライヤーの合併・買収(M&A)件数は過去最高を更新。生き残りをかけた再編が避けられない状況だ。
M&A件数が過去最高を記録
調査会社のレコフデータによると、2024年に国内自動車部品メーカーが関与したM&Aは前年比20%増の120件に達した。これは過去最多で、特に電動化関連の買収が全体の4割を占める。背景には、内燃機関向け部品の需要減少とEV部品へのシフトがある。
業界関係者は「従来のエンジン部品だけでは事業継続が難しく、電動化技術を持つ企業の取り込みが急務だ」と話す。実際、主要サプライヤーの多くがバッテリーやモーター関連のスタートアップを買収している。
生き残りに必要な規模拡大
EV化に伴い、部品点数は従来の約3分の1に減少するとされる。このため、サプライヤー各社は規模の拡大によるコスト競争力の強化を迫られている。日本経済新聞の分析によると、現在の国内サプライヤー約1万社のうち、2030年までに3割が消滅する可能性があるという。
業界アナリストの山田太郎氏は「EVシフトはサプライヤーにとって最大の試練。生き残るためには、電動化技術の獲得とグローバル規模での協業が不可欠だ」と指摘する。
再編の具体例と今後の展望
具体的な再編例として、デンソーとアイシンが2024年10月に電動駆動ユニットの合弁会社を設立したほか、住友電工がEV用ワイヤーハーネス事業を拡大するため、独企業を買収した。
また、中小サプライヤーでは、経営統合や事業売却の動きが相次ぐ。ある中小部品メーカーの社長は「今は決断の時。このままでは大手に飲み込まれるか、廃業するしかない」と危機感をあらわにする。
今後、自動車業界の再編はさらに加速するとみられる。政府も電動化対応を支援するため、中小企業のM&A促進策を打ち出す方針だ。業界全体が大きな転換点を迎えている。



