浜岡原発データ不正で中部電社長・会長が辞任、再稼働申請取り下げ
浜岡原発データ不正で中部電社長・会長が辞任、再稼働申請取り下げ

中部電力は14日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)を巡るデータ不正問題の責任を取り、林欣吾社長と勝野哲会長が9月30日付で辞任すると発表した。浜岡原発3、4号機の再稼働に向けた審査の申請を取り下げることも決定。同社の原発再稼働は見通せなくなった。

調査委が指摘したガバナンスと企業風土の課題

中部電は耐震設計の目安となる基準地震動の不正なデータ操作に関し、外部弁護士による調査委員会の報告書を11日に受領。報告書は約250ページに及び、同社のガバナンス(企業統治)や企業風土に重大な課題があったことが指摘された。

林社長は14日、名古屋市内で記者会見し、「信頼を裏切り、多大なる迷惑をかけていることを深くおわびする」と陳謝した。勝野会長も「当時の経営トップとして発生を防止できず、早期に把握し是正できなかったことに重い責任がある」と述べ、頭を下げた。

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報告書が示した不正の背景と「ブラックボックス化」

報告書では、原子力規制委員会による審査の遅れを受け、早期再稼働を重視する経営陣が原子力部門の担当部署を叱責したことが「不適切行為が行われた要因の一つ」などと指摘。現場への圧力として作用したと評価した。一方で、経営陣による不正の直接的な指示は認定されなかった。

林氏は会見で「ガバナンス(企業統治)と組織風土に重大な課題があった」と不正の背景に言及した。社内の一部に、原発の再稼働を含む重要度の高い業務を阻害する指摘を「独自の正義感」で排除する傾向があったことも、問題点として挙げた。

また報告書では、原子力部門は専門性が高く、組織内部の監視が困難だったことや、業務内容が属人化し、原子力部門の「ブラックボックス化」を招いていたことなどを指摘した。「何としても早期の再稼働を実現する」「原子力規制委の指摘に納得できない」といった考えも横行していたという。

調査委の表現と今後の対応

一方で調査委は、基準地震動を決定する難しさや評価プロセスの複雑性を考慮。調査対象とした行為については「簡潔に表現するのは妥当でない」とし、改ざんやデータ不正などと表現することを避けた。中部電は浜岡原発の再申請に向けた取り組みを進める。

中部電は1月5日、安全対策を審査する規制委への説明で、基準地震動を意図的に選定していた疑いがあると発表。調査委に事実や原因の解明を委ね、9月11日に報告書を受領した。

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