業務スーパーを運営する神戸物産が手がける焼肉食べ放題店「焼肉 プレミアムカルビ」が、週末には5時間待ちの行列ができるほどの人気ぶりを見せている。同店は専属パティシエが作る18種類のジェラートなど、充実したスイーツメニューでも話題を集めているが、梅岡店長は「スイーツ目当てで来店されたとしても、うちはやはり焼肉店。肉のクオリティで満足していただけなければ本末転倒です」と語る。
看板メニュー「熟成塊肉」と仕入れへのこだわり
看板メニューの「熟成塊肉」には焼肉店としての本気が見える。この品質を支えるのは、梅岡さん自ら行う徹底した仕入れへのこだわりだ。プレミアムカルビでは一頭買いではなく、部位ごとに箱詰めされた「ボックスビーフ」を中心に仕入れている。
「希少部位を何千頭分と集めて商品化をお願いしました。アメリカなどに足を運び、あばらの特定の筋肉だけを削ぎ落とせないかなど、細かな商品開発を現地で直接交渉しています」と梅岡さんは話す。
かつては「捨て値」同然だったハラミやタンが、世界的な需要増でロースより高値になるなど、牛肉相場は激変している。さらに近年の相場高騰を受け、梅岡さんは調達先の“多国籍化”も並行して行っている。「仕入れる産地を分散しつつ、その時々で最も良い肉を選んでいます」と説明する。
焼肉とスイーツ、厨房の両立を独自の店舗設計で解決
取材前、筆者は「焼肉とスイーツは、キッチンの運営において極めて相性が悪いのにどう両立させているのだろうか」という疑問を抱いていた。作業効率の悪さはもちろんのこと、生肉がスイーツに触れることがあれば大問題になり得るからだ。
プレミアムカルビはこの難題を、独自の店舗設計によって解決している。一般的な飲食店は作業効率を優先して配置を決めるが、梅岡さんは「入り口にデザートのショーケースを置くこと」を先に決めた。
「お客様が店に入った瞬間『わあ、すごい!』と感動してもらえるような設計をするのが最優先事項でした」と梅岡さん。入り口すぐにショーケース、その真裏に製菓専門の厨房を配置。さらに中央に資材庫や休憩室を設けて、焼肉厨房を店舗の奥に置く。こうして生肉とスイーツの動線を完全に分離させた。
体制面でも、店舗スタッフを「肉」と「スイーツ」に分け、それぞれの持ち場に特化する仕組みを構築している。
関西ではなく関東から出店した理由
神戸物産の本社は兵庫県にあり、関西圏での出店が自然に思えるが、同店は関東エリアを中心に出店している。その理由について、梅岡さんは「関東は焼肉の競争が激しく、顧客の目が肥えている。そこで認められれば、全国展開にもつながると考えた」と説明する。また、業務スーパーの既存顧客層とは異なる新たな客層の開拓も狙いの一つだという。



