事業承継の成約、最多93件 県支援センター25年度
事業承継成約、最多93件 県支援センター25年度

県事業承継・引継ぎ支援センターは、2025年度にセンターの仲介で成約した事業承継が過去最多の93件に上ったと発表した。内訳は親族承継が42件、親族以外の第三者承継が51件で、いずれも過去最多を更新した。

事業承継件数は2021年度と2022年度が各54件、2023年度69件、2024年度71件と増加傾向にあった。センターは事業の譲渡側と譲り受け側双方への相談会やセミナーの開催を強化しており、これが要因とみられる。

第三者承継の51件をみると、相談のきっかけは、譲渡側が経営者の高齢化や病気、譲り受け側は事業拡大や新規開業などの目的が目立った。

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理容室開業の事例

福井市の理容師、梅田さおりさん(55)は新規開業を目指し、2024年秋頃からセンターに相談。同市の美容室オーナーも高齢で今後の経営に不安を感じ、センターを通じて譲渡先を探していた。センターが両者をマッチングして、事業譲渡の手続きを支援し、両者は2024年末に契約を結んだ。

梅田さんは美容室から理容室に業態を変え、店舗を改装した上で、昨年4月にオープンさせた。「店舗や一部の顧客を引き継げて大変良かった」と事業承継のメリットを強調し、「契約などの手続きは専門的で難しかったので、センターを頼りにした」と話す。

休廃業は増加

事業承継が進む一方で、県内では経営者の高齢化や経営難を背景に、企業の休廃業・解散が増えている。帝国データバンクによると、2025年は475件(前年比7.5%増)と3年連続で増加。自社や業界の将来性を見通せず、業績悪化が深刻になる前に事業をやめる中小零細企業が多いという。

こうした状況の中、センターは金融機関や自治体などと連携して事業承継の周知を進め、個別相談会やセミナーに力を入れている。新規相談件数は2025年度が480件と過去最多だった。

センターの担当者は「市町などと連携して、事業承継を検討する企業と関わり、様々な選択肢を提示していきたい」と話している。

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