ベルギーの無名クラブSTVV、日本企業DMMが経営しW杯代表7人輩出の秘密
STVV、DMM経営でW杯代表7人輩出の秘密

2026年のワールドカップで決勝トーナメント進出を果たした日本代表。その26名の選手のうち、実に7名がベルギー1部リーグのシント=トロイデンVV(STVV)に所属または過去に在籍していた。このクラブを経営するのは、動画配信や電子書籍で知られる日本企業・DMMグループだ。なぜエンタメ企業がベルギーの小都市のサッカークラブを所有し、日本代表選手を次々と輩出しているのか。その背景には、日本サッカー界の課題を解決したいという熱意と、独自のビジネスモデルが存在する。

W杯日本代表7人を輩出したSTVVの実績

今大会の日本代表は、予選リーグ初戦で強豪オランダと2-2で引き分け、チュニジア戦では4-0でW杯史上最多得点を記録。スウェーデン戦を同点で乗り切り決勝トーナメント進出を決め、ブラジルに敗れたものの健闘が光った。この快進撃の陰にSTVVの存在があるとされる。

STVVに現在所属する谷口彰悟、後藤啓介。過去に在籍した遠藤航(リバプールFC)、鈴木彩艶(パルマ・カルチョ1913)、鎌田大地(クリスタル・パレス)、冨安健洋(アヤックス・アムステルダム)、中村敬斗(スタッド・ランス)。※所属は2025-26シーズン時点、遠藤は怪我により途中離脱。これら7名が日本代表としてW杯に出場した。

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鈴木彩艶の移籍金が10億円を超えるまで

STVVのビジネスモデルの成功例として、GK鈴木彩艶のケースが挙げられる。鈴木はマンチェスター・ユナイテッドからのオファーを断り、あえてSTVVへ移籍。その後、パルマへ移籍する際の移籍金は10億円を超えたと報じられている。DMMグループは、日本人選手の市場価値を高め、移籍金を引き上げる仕組みを構築している。

「STVVは日本人選手が欧州で活躍するための登竜門として機能している」と関係者は語る。同クラブは、日本人選手に十分な出場機会を与え、欧州のトップリーグへのステップアップを支援。これにより、選手の価値が向上し、クラブも移籍金収入を得られる好循環が生まれている。

はじまりは吉祥寺の居酒屋だった

DMMグループがSTVVを買収したきっかけは、吉祥寺の居酒屋での会話だった。DMMの創業者である亀山敬司氏が、サッカーを通じて日本を元気にしたいと構想を語ったことから始まる。当時、ベルギーのクラブ買収はリスクが高く、アジア人の経営に対する現地の反応は懐疑的だった。しかし、DMMは地道な運営で信頼を勝ち取り、STVVを1部リーグに定着させた。

STVVのビジネスモデル:日本人選手の価値向上と移籍金最大化

STVVの経営戦略の核心は、日本人選手を欧州で育成し、その移籍金を最大化することにある。日本企業が運営するクラブとして、日本人選手の特性を理解し、言語や文化の壁を取り除くサポートを提供。さらに、データ分析やトレーニング施設への投資も行い、選手のパフォーマンス向上を図っている。

DMMグループは、動画配信や電子書籍で培ったマーケティング力を活用し、選手のブランド価値を高める。SNSやメディア戦略を通じて、日本人選手の認知度を向上させ、移籍金の高騰につなげている。これにより、クラブの収益源を多様化し、持続可能な経営を実現している。

日本サッカー界への波及効果

STVVの成功は、日本サッカー界に新たな道筋を示した。欧州のクラブを日本企業が所有し、日本人選手の育成と移籍金収入を両立するモデルは、他のクラブや企業の参考となっている。また、日本代表の強化にも直接貢献しており、W杯での躍進を支える一因となった。

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「STVVは日本人選手が世界で戦うためのプラットフォームだ」とDMMの関係者は強調する。今後も同クラブから多くの日本代表選手が誕生し、日本サッカーのレベル向上に寄与することが期待される。