2026年後半の日本株は上昇トレンド継続もスピード鈍化の3つの根拠
2026年後半の日本株は上昇トレンド継続もスピード鈍化の根拠

2026年前半の日本株市場は記録ずくめだった。日経平均は6月16日に7万円の大台に到達し、年初からの上昇率は約20%に達した。しかし、ケイ・アセット代表でマーケットアナリストの平野憲一氏は、年後半について「上昇トレンドは継続するものの、そのスピードはかなり鈍る」と予想する。その根拠として、業績相場、AI相場、インフレ相場の3つの視点を挙げている。

業績相場の視点:上昇は続くがリスクも高まる

平野氏はまず、業績相場の観点から分析する。2026年前半は企業業績の改善が株価を押し上げたが、後半はそのペースが落ちると見る。特に、4~6月期決算の発表が本格化する8月中旬までは、業績見通しの不透明感からモミ合いが続く可能性が高いという。年前半のような急ピッチの上昇が続けば、相場が早期に終わるリスクも指摘している。

AI相場の視点:けん引役の勢いに陰り

次に、AI関連株の動向だ。年前半はAIブームが日経平均を強力に押し上げたが、後半はその勢いが減退すると平野氏は見る。米国でのAI関連企業のバリュエーション調整や、日本企業のAI投資の一巡感が背景にある。もはや「問答無用で日経平均を引き上げる力はない」とし、AI相場のけん引力は低下すると予想する。

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インフレ相場の視点:スタグフレーション懸念が重し

3つ目の根拠はインフレ相場からの視点だ。2022年に過去30年で例のない規模(帝国データバンク調べで2万5768品目)の値上げラッシュで始まったインフレは、23年には3万2396品目に拡大。その後も年1万品目以上の値上げが続き、26年7月の食品値上げ品目数は2566品目、8月は1898品目、9月は3029品目が予定されている。26年は1月~10月の判明分だけで1万1157品目に達し、年間では1万5000品目台になる可能性がある。

平野氏は「賃金上昇で人件費が上がっているため、値上げは続く。企業は値下げに戻る体力がなく、円安が続く限り輸入物価は下がらない」と指摘。しかし、値上げが行き過ぎれば消費が冷え込み、スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)に近づく可能性がある。これは日本にとって最も避けたいシナリオだ。

一方で、デフレ再突入は当面ないとの見方も示す。デフレになるための条件「1. コアCPIが年平均で-0.5%前後、GDPデフレーターもマイナス。2. 需給ギャップ(GDPギャップ)が1~2%程度のマイナス。3. 賃金が上がらない・むしろ下がる」の3つを満たすには、現在の日本はかなり距離があるためだ。

総合判断:上昇トレンドは不変も、スピードは鈍化

以上の3つの視点を総合すると、平野氏は「26年後半も上昇するが、そのスピードはかなり落ちる」と結論付ける。特に4~6月期決算の数字が判明する8月中旬までは、弱気ではないものの、厳しいモミ合いが続くことを覚悟しているという。

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